東日本大震災被災地見学記 その5

2018.7.3


仙台空港周辺

 快晴となった24日。今日は宮城県の被災地を見学します。午前6時頃、仙台市内を出発して、仙台空港方面へ向かいました。

 海岸から空港ターミナルビルまではわずか1.1kmしかない仙台空港も被災しました。私はCNNの映像で仙台空港が浸水し、ヘリコプターやセスナ機が流されていくのを見て、声を上げた記憶があります。空港の建物は一階が浸水し、3.02メートルの高さまで波が到達しました。写真は帰りの便に乗る前に撮影したものです。

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 思えば、空港に連結する鉄道駅が高架式だったのは幸いでした。地下式だったら水没していました。空港近くのトンネル部分は水没したでしょうから、列車と津波のタイミングによっては、現在でもそこで被害を出す危険性は残されています。

 仙台空港から海岸線に向かった場所にも、かつては住宅地がありました。いまは、そのほとんどが残っていません。

 まずは、下増田神社と鈴木英二氏宅。千年希望の丘・相野釜公園です。

 下増田神社は鳥居と拝殿が流されたものの、その他の建物は残りました。鳥居は新たに設置され、真新しい姿を見せていました。ここにも津波が到達した高さを示す掲示があります。

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 神社の隣には寺がありました。真新しいので新築かと思いましたが、津波の到達を示す表示がありますから、リフォームなのでしょうか。奥にある墓地も真新しく、震災後に設置されたことが分かりました。

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 神社のすぐ近くに鈴木英二氏宅があります。もともとは、門と塀、離れまである立派な住居でした。取り壊さずに震災の遺構として残されているのです。鈴木家は車で仙台空港まで逃げ、難を逃れたそうです。

 説明をみると、立派な門と塀があるのが分かります。

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 門と塀は基礎部分しか残らず、左側の離れは基礎だけになり、母屋の右側は壁がもぎ取られています。天井板も外れているところがあり、水がそこまであがったことが分かります。

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 離れはこのとおり、基礎と床の梁しかありません。

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前へ 続く

 

 


 

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