首都に近いザバダニをシリア軍が奪還

2015.7.6


 alarabiya.netによれば、ヒズボラの支援を受けたシリア軍が日曜日、レバノン国境のカラモウン地区(Qalamun)で反政府派が唯一支配していた街、ザバダニ(Zabadani・kmzファイルはこちら)に入りました。

 前進は人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」とヒズボラのアル・マナル・テレビ局(Al-Manar)によっても確認されました。「英雄的な軍隊はレバノン人の抵抗と協力し、ザバダニ西部でアル・ジャマイヤット地区(Al-Jamaiyat)と街東部のアル・スルタナ地区(Al-Sultana)を支配した」と国営テレビは速報で言いました。「作戦は継続中で、テロリスト多数が死傷しました」。

 人権団体は、政府軍とヒズボラが街に入ったことを確認し、日曜日の朝以来、軍のヘリコプターが樽爆弾少なくとも12個を投下したことを確認しました。過去24時間の戦いで政府軍とヒズボラの戦闘員が少なくとも15人が戦死し、反政府派は少なくとも11人が死亡しました。


 記事は一部を紹介しました。

 ザバダニでは政府軍が攻撃を継続的に行っていることが知られていました。当サイトでも何度か取り上げています()。

 ここを確保していることは首都攻撃のために有効だと思っていましたが、そこがなくなったということです。一方で、シリア政府が北部と南部を手放すような話もあり、シリア内戦の戦況はどちらに有利なのかが判断しにくくなっています。

 今回、政府軍がザバダニを奪還したことは、直ちに政府軍に有利に働くとも思えませんし、反政府側が損失を軽視できるとも思えません。いつものような戦いの波の中で起きたことといえます。

 同時にラッカ市に同盟国が猛烈な空爆を行っているとの記事もあります(記事はこちら)。これはクルド軍のラッカ侵攻を助けるためと考えられます。進撃開始が近い可能性もあります。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.