シリア軍がホムスで攻勢を活発化

2013.1.27


 alarabiya.netによれば、シリア軍はホムス(Homs・kmzフィアルはこちら)で攻勢を活発化させています。

 人権活動家は、シリア軍が最近、ホムスに軍を増強し、数ヶ月間、反政府派が占領した地域を奪還することを狙って、新しい攻勢を始めたと言いました。

 活動家がインターネットに投稿したビデオは、州都ホムスの北にある、反政府派が占領するラスタン(Rastan・kmzフィアルはこちら)の建物を直撃したロケットを示しました。背後では重火器の銃声が聞こえます。もう1つのビデオは、包囲された街の建物から濃い黒と灰色の煙が建物から立ち上るのを示しました。「ホムスの街は燃えています……昼夜を問いません。ホムスへの砲撃は止みません」とナレーターが言うのが聞こえます。

 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」によれば、ダマスカス周辺では、金曜日に政府軍が、ザバダニ(Zabadani・kmzフィアルはこちら)とダラヤ(Daraya・kmzフィアルはこちら)を含めたいくつかの地区に砲撃を行いました。地域調整委員会は、政府軍の軍用機が、ダマスカス近郊の最も長い反政府派が占領する地帯、ドーマ(Douma・kmzフィアルはこちら)で空爆を行うと言いました。

 人権団体は金曜日にシリア全土で、ホムスの11人を含めて、少なくとも80人が死亡したと言いました。

 他のビデオはダマスカス近郊のアルビーン(Arbeen・kmzフィアルはこちら)の荒廃を示しました。この映像は活動家が2回の空襲があったと言ったあとに出てきました。出血し、負傷した男性が破壊された建物の瓦礫から助け出されています。ビデオはAP通信の報道と一致しているように思われます。

 活動家は、ゴラン高原のシリアが支配する地域で、軍情報部の建物の近くで爆弾を搭載した車2台が爆発して、8人を殺したと言いました。死者の大半はシリア軍のメンバーでした。シリア政府は木曜日の夜にクナイトラ(Quneitra・kmzフィアルはこちら)で起きた攻撃についてコメントせず、犯行声明は出ていません。


 記事は一部を紹介しました。

 前にも書きましたが、シリア軍が砲爆撃を行うのは、反政府派の活動が活発な場所です。ホムスでの戦闘がいよいよ激化しているようですが、政府軍はこの攻勢を止められないでしょう。ホムスが陥落すると、ダマスカスとアレッポまでの半分の地域が反政府派の手に落ちたことになります。この時に、内戦に大きな変化が生まれる可能性があります。政府軍も反政府派に勝つことを諦めるのではないかと、私は考えています。

 アルビーンの西側には幹線道路が走っており、インターチェンジがあります。その西約1kmの場所に、シリア軍の特殊部隊司令部と情報部の部局があります。これまでは首都南東部が反政府派の支配地域と思われていましたが、すでに北東部もそうなっていると考えた方がよさそうです。アルビーンの幹線道路は北部へ通じる大動脈でもあり、こうした重要な地域も反政府派が支配を固めているのです。すでに首都の多くの地域が反政府派の支配地域となっています。

 すでにシリア政府は敗北を認めるべき段階に来ていると思われます。


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