東日本大震災被災地見学記 その2

2018.7.3


請戸漁港

 次いで、浪江町の請戸漁港(うけど)へと向かいました。途中で放射線のレベルを測る線量計を見ました。この先で、こういう線量計はあちこちで見ました。現在、この線量計が示す値は一応は安全なものです。人が自然界から受ける放射線量は年間で2.4mSv(マイクロシーベルト)です。この写真の0.085mSvは安全なレベルです。

 しかし、この線量計が本領を発揮するのは、再び福島第一原発に危機が起こり、周辺に放射線が飛んだときです。すでに原子炉は止まっていますが、内部は極めて高い放射線量のままです。原子炉は堅固に造られているとはいえ、何らかの理由で破損したら、再び放射線を撒き散らし始めます。それを考えると、ゾッとしました。

画像は右クリックで拡大できます。

 さらに立ち寄ったのは、正確な地名が分かりませんが、小高東工業団地の少し南にある慰霊碑です。松川浦新漁港の祈念館にも慰霊碑がありました。震災に関する説明と亡くなった方々の氏名が書かれています。右側のお地蔵さんは寄贈されたものだそうです。実は、この慰霊碑がある場所も以前は住宅がありました。ここから海を見ると、やはり防潮堤の工事が見えました。

画像は右クリックで拡大できます。

 請戸漁港は整備が進められている最中で、2017年2月に再開したばかりです。漁船も少しづつ増え、現在は26隻が活動しています。しかし、まだまだ多くの建設作業が必要のようで、作業が続けられています。

画像は右クリックで拡大できます。
画像は右クリックで拡大できます。

 航空写真を見ると分かりやすいのですが、漁港の背後にあった住宅地は壊滅し、ほとんどの家が基礎部分しか残りませんでした。これまでは港の近くに住居を置ていましたが、そういうライフスタイルは変わりました。

写真はGoogleEarthから引用。
画像は右クリックで拡大できます。

 付近には、この写真のような廃墟が点在するだけです。請戸は避難指示が解除になっているのですが、海岸の近くに家を新築したいと思う人はいるのでしょうか?。

画像は右クリックで拡大できます。

 港から福島第一原発の方向を撮影したのですが、生憎の霧雨で、肉眼でも微かにしか見えませんでした。写真撮影しましたが、ほとんど判別できません。画面の真中付近にあるはずなのですが………。

画像は右クリックで拡大できます。

前へ 続く

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.