マシャルがスーダンの病院を退院

2016.8.28


 sudantribune.comによれば、南スーダンの元第一副大統領レイク・マシャル(Riek Machar)は、彼らの指導者が、足の腫れ、極度の消耗から大きく健康が改善した後、スーダンの首都、ハルツーム(Khartoum)の病院から退院しているといいました。

 マシャルの報道官のジェームズ・ギャトデット・ダク(James Gatdet Dak)は木曜日、彼のボスはスーダン政府の手当を受けた日々の後、病院から退院したことを認めました。

 「はい、議長のレイク・マシャル博士はハルツームの病院から退院しました。彼は極度の消耗から力を回復しました。腫れた足も大きく改善しました。彼はいま、自分の脚で歩けますが、まだゆっくりとです」とダクは説明しました。

 彼は、南スーダンの元第一副大統領は、7月24日に議論を呼んだ交代をさせられたにも関わらず、反対勢力のSPLM-IOから合法的な第一副大統領とみなされていますが、IGADとアフリカ連合への公式訪問を始める前に、さらに屋内での治療を受けるため、ハルツームの住居へ移動させられたといいました。

 「彼はもはや病院にはいません。彼は居住地区へ移動させられました。もてなしに対して我々はスーダン政府に感謝します」と彼は付け加えました。

 ダクはサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の上級外交官の一人、ワシントンの住人で、ゴードン・ブアイ(Gordon Buay)が広く回覧させ、キール政権のその他の高官が共有した写真についても認めました。

 ブアイは木曜日、コンゴ共和国でマシャルがベッドに寝たままで連れて行かれ、国連平和維持軍によって運ばれているソーシャルメディアの写真を配布しました。

 ダクは写真が本物で、恐らく彼を空輸した平和維持軍によって撮影されたといいました。

 しかし、彼はそれらは、マシャルがコンゴ・南スーダン国境から国連平和維持軍によって空輸された8月17日に撮影された古い写真だったといいました。

 彼は、ベッドに寝て、運ばれたことは、彼の健康状態が重体であることを意味せず、単に消耗と腫れた脚が自分自身で歩くことを困難にしただけだったといいました。

 「はい、写真は本物です。ですが、地上軍と武装ヘリコプターに40日間ブッシュの中を追いかけられた彼の年齢の人に何を期待しますか?。誰でも極度に消耗しますし、消耗して、脚が腫れた時は、間違いなく横になります。これは明らかです」とダクは付け加えました。

 「そして、40日間荒野の中を追跡された者がサルバ・キールだったら、彼が同じ状態になり、極度に消耗し、横になるとも私は保証します」とダクはふざけて説明しました。

 彼は、彼らが健康が向上した後のマシャルの現在の状態の写真をすぐに公開するだろうといいました。

 彼はキール大統領当局者によってマシャルの状態の写真が配布された時の興奮は、マシャルを殺したいという彼らの願望の凶暴性のレベルの徴候だといいました。

 「一つのことは明白です。ジュバの人たちは野蛮人だということです。彼らの彼らが喜んで写真を配布したことの彼らのコメントと興奮は野蛮人の行為で、邪悪な考え方です。彼らは彼らが殺すことだけを切望する野蛮人であることを全世界へ照明しました」とダクはいいました。

 しかし、ダクはマシャルは戻ると言い、国内での暴力の悪循環、際限のない殺戮、汚職、戦争、発展の不足を終わらせるために、今回限りで現在のジュバの極悪なリーダーシップを終わらせる必要があると付け加えました。

 マシャルは二度の事件でジュバの彼の住居は爆撃され、彼を追い詰めるためにブッシュの中を追いかけられ、2013年12月と2016年7月に二度、暗殺未遂を生き延びたと報じられます。


 22日の記事で、スーダンが脱出に関与したとの南スーダン政府の見解を紹介しました(関連記事はこちら)。

 両方の記事を読むと、コンゴが脱出を支援し、スーダンがマシャルを受け入れたのが真相のようです。

 南スーダン政府はスーダンの支援をクーデターの証拠として主張しようとしており、反対勢力はそれを南スーダン政府の陰謀の証拠だと主張しています。

 どちらが信じられるかというと、やはり反対勢力の方です。劣勢の側がこの種のクーデターを敢行するはずはありません。

 マシャルはジュバに戻る意志はあるものの、キール政権が存在する上では実現しそうにありません。キール政権が自発的に解散することもありません。

 今後は国際社会が南スーダン政府と長い交渉を行うことになります。当然、和平実現の上で約束されていた国際支援は打ち捨てられることになり、南スーダン政府は徐々に経済的に追い詰められていくことになります。

 国際社会の態度に業を煮やした南スーダン政府が国連軍を攻撃し始めるのは最悪のシナリオです。自衛隊もそれに巻き込まれます。しかし、隣国から来ている軍隊を敵に回せば、周りは敵だらけとなります。

 マシャルを南スーダンへ戻すために、スーダンの役割が重要視される可能性もあります。この場合、キール政権は、やはりスーダンとマシャルが結託して、政府転覆を謀ろうとしていると主張するでしょう。スーダン軍が国連軍として北から侵攻する形になれば、現在、ジュバに駐屯する国際部隊は南スーダン軍から敵とみなされて攻撃を受けることになります。しかし、こういう性急な方法を国際社会が選択するとは思えません。

 長いことかかって、南スーダンの情勢は変化していくことになるでしょう。うまくすると、そのおかげで、自衛隊は無事で済むかも知れません。

 しかし、何が起きるかは、まったく予断を許しません。我々がみているのは、見せかけの平和と呼ぶべきものだからです。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.