北朝鮮がドナルド・トランプにラブコール

2016.6.2


 alarabiya.netによれば、大統領候補のドナルド・トランプは北朝鮮に友だちを見つけたようです。

 米共和党の大統領候補者は、今週、北朝鮮のメディアにおいて彼を賢明と先見性で称賛する記事を、次いで水曜日には労働党のスポークスマンからもらいました。

 両方の記事はキムジュぬんに会う意思があることと、米軍を韓国から撤退させる願望と再考の提案が、どのようにソウルでトランプ・ショックを生んだかを指摘しました。

 国営「DPRK Today」は火曜日に、鈍感なヒラリーと賢明なトランプを並べ置いて、トランプの称賛を始めました。

 「米国民が投票するべき大統領候補者は鈍感なヒラリーではない。彼女は北朝鮮の核問題を解決するためにイラン型のモデルを追求するといいますが、トランプは問題を北朝鮮との直接対話で解決すると言いました」と中国を拠点とする学者のものとする囲み記事は言いました。

 長い囲み記事の中において、韓国が費用を負担しないなら韓国から軍隊を撤退させるという彼のコメントについて、トランプは先見性を持つ賢明な政治家であり大統領候補者だと説明しました。

 また、大統領になったら北朝鮮の指導者と直接話したいという公にした意思も指摘しました。


 記事は一部を紹介しました。

 という訳で、北朝鮮はトランプが大好きのようです。直接対話を従っていたのは北朝鮮の方で、トランプはその選択肢を公言しているのだから当然です。

 こうなることは分かり切っていた訳で、トランプの公約が実行されれば、北朝鮮にとって得になるのは当たり前の話です。日本と韓国から米軍がいなくなる話ですから、北朝鮮にとってはやりやすくなるのは当然です。

 日本ではトランプの提案に賛成する声が結構聞かれます。在日米軍が撤退すれば、問題が一気に解決すると考えるのは、米軍がらみで起きる事件の深刻さを考えると当然です。しかし、在日・韓米軍が撤退することは北朝鮮を大きく利するのも間違いありません。トランプが大統領になっても、この政策は実現するはずはなく、仮に実現したとしても、その後に北朝鮮がより攻撃的になることで譲歩や撤回を余儀なくされることが目に見えています。そのためには当然、コストもかかり、彼の主張とは反対に出費が増えることになります。

 一言でいえば、トランプの北朝鮮政策はやるだけ無駄なのです。夢見がちなアメリカ人は早く目を覚ますことです。

 就任時の期待と退任時の失望がオバマ大統領とどちらが多いかといえば、間違いなくトランプでしょう。

 中東のメディアがこういう問題に着目しているのです。アメリカでも軍人向けメディアのmilitary.comもトランプには批判的です。このメディアはドナルド・ラムズフェルドが国防長官を辞任するきっかけになる記事も報道しており、政治的な動きには非常に厳しい傾向があります(関連記事はこちら)。

 


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