限りなく陰謀に近い南スーダンの和平プロセス

2016.4.15


 「vocie of america」によれば、南スーダンの反政府派が首都ジュバ(Juba)に戻り始めました。

 内戦がはじまった2年以上前に南スーダンの反政府派は銃撃の元でジュバを離れました。和平協定に調印した8カ月後、彼らは帰還しています。

 それは8月に調印された和平協定を実行する上で主要なステップです。

 しかし、進行中の戦いは反政府派の到着が平和や一層の暴力につながるかもしれないとの疑問を抱かせます。

 現在までに1,300人以上のスーダン人民解放軍兵士が首都に戻りました。

 火曜日に、反政府派の副司令官アルフレッド・ラドー・ゴア(Alfred Lado Gore)も到着しました。

 反政府派指揮官レイク・マシャル(Riek Machar)はサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の下で副大統領を受諾するために月曜日に到着することになっています。

 何万人もの人々が南スーダンの内戦で、キールとマシャルに従う軍隊の間で死亡しましたが、ゴアは来る和平を止める方法はないと言いました。

 「和平は逆転しないでしょう。我々は国と共に前進しなければなりません」とゴアは言いました。

 しかし、彼がジュバで和平を説くとき、戦いは他の場所で続きました。

 アメリカは西部のバアル・エル・ガザル州(Bahr el Ghazal)で政府軍による攻撃を非難しました。

 アメリカのマーク・トナー国務省副報道官(Mark Toner)は、反政府派がそこで政府軍兵士と民間人を攻撃もした。

 「我々は我々が紛争に戻るかに見える岐路にいます。両者は物事を軌道に戻す責任があります」とトナーは言いました。

 戦いがジュバで再開する懸念があります。

 和平協定は、南スーダン軍は政府軍と反政府軍が市内でバランスがとれるように、街の外へ25km交替しなければならないとしていました。

 しかし、政府は停戦監視団が彼らの軍隊を除去したことを確認するのを許しませんでした。

 反政府軍もさらなる兵士を密かに引き入れたと非難しました。

 火曜日、政府職員はゴアが到着する前に反政府派のメンバー16人を逮捕して殴打したと反政府派は言いました。

 ゴアは南スーダン人は自由に集まり、彼らの考えを話せなければならないと言いました。

 「その事件は非常に不幸でした。私は遺憾に思います。私はそれを非難し、我々はなぜ彼らが逮捕されたか知らされるよう望みます」と彼は言いました。

 政府代表、アコル・ポール(Akol Paul)は逮捕は確認しておらず、状況はよくなっていると言いました。

 「戦争は2年間でした。多くの問題がありました。和平はプロセスです。私は保証します。今日は昨日よりよく、明日は今日よりもよいのだと」とポールは言いました。

 別の「vocie of america」の記事によると、南スーダン軍は首都から離れているようです。

 木曜日、迷彩服を着た兵士の列が、ジュバから45分のところにあるジベル・マコル(Jebel Makor)の埃っぽい野原で軍歌を歌いながら気をつけをして立っていました。

 兵士たちはマシャルが月曜日に到着する前にジュバを離れたと思われる数千の南スーダン軍の一部です。

 この考えはジュバの兵士を制限することは衝突の機会を減らすということです。

 両者は兵士と警察官約5,000人が街に残り、反政府派は3,000人を持ち込むことに同意しました。

 しかし、反政府派は政府が兵士を撤退させることができず、密かに追加の兵士を引き入れたと非難します。

 政府軍は非武装化の前に市内に持つ何人の兵士を公表しておらず、国際停戦監視団にプロセスを確認することを許しませんでした。

 木曜日に、政府軍は彼らが和平協定を支持しているとの証明を提供するために、ジャーナリストをジベル・マコルへ連れて行きました。

 政府軍報道官、ルル・ルアイ・コアン(Lul Ruai Koang)は、ジベル・マコルは兵士が再配置された9つの基地の1つだと言いました。

 「我々は従っています。我々は従っていました」とルアイは言いました。

 「我々は我々に要求されるものに達するまで従い続けます。それが兵士がここにいる理由です」

 ルアイによれば、ジベル・マコルには700人の兵士がいます。彼は兵士の存在が政府軍が合意を支持していることの証明だと言いました。

 しかし、「Voice of America」はジベル・マコルで300人未満の兵士しか数えませんでした。

 ルアイは残りの兵士は料理をしたり、パトロールしたり、病気休暇だと主張しました。

 報道官は何人の兵士がジュバを出たかを言うことができませんでした。

 彼はプロセスが始まる前に何人の兵士がジュバにいたかも知りませんでした。

 しかし、ルアイは政府は合意に従っており、街の内外で兵士の人数を確認するために国際監視団を招待したと主張しました。

 この不確実性にも関わらず、マシャルの事務所は彼が予定通りに月曜日に戻り、すぐに副大統領として宣誓すると言います。


 なんと恐ろしい展開でしょうか。どう見ても、和平が進んでいるとは思えません。進んでいるのは陰謀であり、マシャル抹殺でしかありません。国連派遣団の目の前で、マシャルが殺害され、同行する反政府軍も殲滅される格好の機会が整いつつあります。中枢をつぶした政府軍は北上し、反政府派を皆殺しにする可能性すらあります。

 ジベル・マコルの政府軍兵士は明らかに報道用のお飾りです。こっそりと首都内に増員し、反政府派の動きを確認してから攻撃開始という計略でしょう。反政府側もそれを迎え撃つつもりかもしれません。こんな和平が成功するわけがありません。

 国連は事態をどう把握しているでしょう。米軍などの偵察能力を使えば、政府軍の動きを察知することは可能でしょう。以前にそういう報告書が出ています(関連記事はこちら)。国連にまかせっきりなのでしょうか?。

 


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