南麂諸島に関して中国軍が爆笑コメント

2014.12.25


 RecordChinaによると、環球時報(電子版)が、中国浙江省温州市沖の南キ列島(南麂諸島)でこのほど、中国軍が軍事基地の建設に着手した問題で、中国軍関係者は「日本メディアは尖閣諸島(中国名・釣魚島)から300キロであることを強調する一方、浙江省からわずか30カイリ(約56キロ)であることを伏せている」と主張しました。

 浙江省東部沿岸地域の軍関係者は22日、「南キ列島にはレーダー拠点を整備することは可能だが、固定翼の飛行機が離発着できる滑走路の建設は不可能だ」と指摘。理由として島が非常に陸地に近いこと、列島がほぼ山で離発着できるのはヘリコプターに限られることなどを挙げました。また、07年に島に上陸した際、「気象観測所があるのみで軍は駐留していなかった」と説明しました。

 また、中国海軍の軍事学術研究所の専門家は「日本が中国を侵略した当時、南キ列島は2度にわたって日本に占領された。今回の件で日本が敏感になっているのはそのせいもあるだろう」とみています。


 この基地に関する情報は23日に紹介しました(関連記事はこちら)。

 中国軍の発言は笑えるものが多いのですが、南麂諸島から浙江省まで約56kmとは、どういう計算でしょうか?。尖閣諸島から、少なくとも60km圏内に中国軍が利用できる島なんかありません。青い海が広がっているだけです。勝手に浙江省の領域を広く見積もって、「近いぞ」と言ったところで、誰が恐れ入りますか?。

 おまけに、固定翼機の滑走路を造る気はないことも教えてくれました。先日予測した通りです。Google Earthではかなり精密に地形を把握できますが、分析に多少の不安は残ります。

 先日説明したとおり、与那国島と石垣島の軍事的ポテンシャルを考えると、このレーダー基地とヘリポートを脅威と感じる必要はまったくありません。この地域の航空機の監視能力が高まったとだけ認識すれば足ります。

 


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