オスプレイの離陸事故で海兵隊員が死亡

2014.10.3


 military.comによれば、米海軍は、MV-22オスプレイを脱出し、アラビア湾に落ちた海兵隊員が死亡したと推定し、捜索を終了しました。

 行方不明の海兵隊員は、強襲揚陸艦マキン・アイランド(USS Makin Island)からの離陸でパワーを喪失したオスプレイを脱出した乗員2人のうちの1人です。海軍当局は乗員1人は無事に回収され、同艦で安定した状態にあります。「航空機が離陸した時、パイロット2人、下士卒2人の4人が乗っていました。行方不明の海兵隊員は、オスプレイが海に墜落しそうになった時に脱出した乗員2人の1人でした」と海軍の声明は言いました。オスプレイのパイロットはコントロールを回復し、マキン・アイランド上に安全に着陸しました。海兵隊当局は事件の原因を調査します。


 記事は一部を紹介しました。

 オスプレイは強襲揚陸艦をヘリコプターモードで離陸します。そこでパワーが失われ、海面近くまで落下し、乗員2人が脱出。その直後にオスプレイはパワーを回復して、マキン・アイランドに戻ったということです。

 恐らく、マキン・アイランドの甲板は海面から17m程度の高さにあります。これが飛行場だったら、17mの空間的余裕はなく、地面に墜落していたことでしょう。

 今のところ、墜落の原因は不明ですが、海兵隊が真相を明らかにするかは疑問があります。2010年4月9日にアフガニスタンで米空軍のCV-22が墜落した事件で、調査責任者だったドナルド・ハーベル空軍准将はエンジン不調という報告書をまとめたところ、上官から内容変更を迫られ、辞任しています(関連記事はこちら)。同様のことが、この事件でも起きるかも知れません。 オスプレイに関しては、欠陥隠しが組織的に行われているのです。

 なお、省略しましたが、マキン・アイランドとオスプレイはイスラム国との戦いのために活動中でした。

 それから、10月1日に紹介した、シリア領内にあるスレイマン・シャーの墓地をイスラム国が占領したとか、ここを防衛するためにトルコ軍がシリア領内に入ったという記事は今のところ見つかりません。


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