日本と中国がアフリカ政策で互いを批判

2014.1.13


 BBCによれば、中国と日本は両国がアフリカ大陸への資金投下を申し出る時に、互いのアフリカ政策を批判しています。

 日本は中国がアフリカの指導者を贅沢な贈り物で買収していると示唆しました。一方、中国は日本が国連安全保障理事会の席を求めて、アフリカに支持を求めたと避難します。

 日本の指導者、安倍晋三は日本の首相として8年ぶりにアフリカ諸国を訪問中です。安倍総理はエチオピア、象牙海岸、モザンビークを訪問中に支援と貿易協定で140億ドル以上の寄付を申し出ることになっています。

 中国は海外投資のためにアフリカ大陸を「黄金の大地」と称賛し、アフリカ大陸への寄付を年間200億ドルへ倍加することを誓約しました。中国の外務大臣は今月、東および西アフリカを訪問しています。

 安倍総理の公報、谷口智彦は、日本が中国にアフリカへの投資の面で遅れをとっていることを認めます。しかし、彼は、日本、イギリス、フランスのような国はアフリカの指導者に、立派な家、立派な行政用の建物を与えたりはしないと言いました。中国は、エチオピアのアフリカ連合本部のような公共の建物の対価を支払うことがよくあります。ここで火曜日に安倍総理が演説することになっています。谷口氏は「日本の支援政策はアフリカの人的資本を本当に支援することです」と言います。彼は多くのアフリカ指導者は、日本との強力なつながりを通じて、産業の専門知識とノウハウを得ることができると信じていると言いました。

 中国は、アフリカへの支援と協力は完全に献身的なものだと主張します。中国の王毅外務大臣(Wang Yi)は香港の新聞「Ming Pao」に、中国は自国の利益のために他国と競い、純粋な政治的動機なしにアフリカを支援する特定の国を認めないと言いました。これは中国が反対する、日本が国連安全保障理事会の常任理事国になろうとする企てに、アフリカの指導者の支援で投票に勝とうとしていることに言及したと見られます。


 記事は一部を紹介しました。

 どちらもどちらの感が強い記事ですが、アフリカでの投資経験では中国の方が上でしょう。

 昨年、アルジェリアで起きた石油施設での人質事件では、日本がいかに対処に出遅れたかを露呈しました(過去の記事はこちら)。人質の多くは犯人に射殺されたのに、日本政府は公式にアルジェリア政府の突入作戦を批判し、安倍総理は作戦実行中にその中止を要請するという筋違いの行動をとりました。そのせいか、今回の訪問先4ヶ国にはアルジェリアは含まれていません。外務相の公式見解が、日本人がアルジェリア政府の誤った判断で殺されたということですから、安倍総理はそれに従っているわけです。これがアルジェリアのプライドを傷つけないかが心配です。本来なら、人質事件でのお礼を言うべき機会ですから。

  今後、こういう日中の対立がさらに増えることを理解しないといけません。尖閣諸島のような目の前の問題だけを見ていると、情勢を見誤るかも知れません。中国だけが問題ではありません。アフリカには様々な国の国益が突き刺さっているのです。


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