米海軍が酒・タバコの取り締まりを強化へ

2012.3.7


 military.comによれば、米海軍は海軍兵士と海兵隊員に喫煙・アルコールを取り締まるために呼気検知テストを行う計画です。

 「21世紀の水兵と海兵隊員(21st Century Sailor and Marine)」と呼ばれる新しい政策は、その発展のために長年の問題を反映しました。

 最も目立つ新方針は呼気検知器の使用で、海軍はすべての艦船と海兵隊部隊は呼気検知器の配備と使用を開始します。任務シフトのために乗艦するすべての水兵は呼気検知器でテストされ、すべての要員は無作為に点検を受けることになります。太平洋北西部の潜水艦部隊での試験プログラムは、アルコール関連の事件を45%減少させました。

 水兵に不人気なことに加えて、海軍の過去の呼気検査は海軍指導者たちから、呼気検査はそれが解決するのと同じくらいの問題を引き起こすとして懐疑論を受けました。水兵は夜間に外出して飲酒した場合、船に戻った時に呼気検査を受ける心配をしなければならず、船に戻らずに裏通りや警察署で眠る方を選べます。

 これはタバコと「スパイス(spice)」という名で知られるマリファナのような薬物にも適用されます。海軍省はタバコ製品を購買部で割引販売することを止め、新しいスパイス喫煙者を捕まえるための新しいテストを開始します。ここ数十年で初めて、海軍は艦内の店でタバコを積んで出港しないかも知れません。巨大なたばこ産業の圧力の元で、連邦議会は約20年前に艦内の店がタバコを在庫するよう命じ、それは過去には海軍が全艦隊の喫煙禁止を議論することを難しくしました。最近の法案はその命令を緩和し、指揮官が自分の艦でタバコを売るかどうかについて、より多くの権限を持つことになりました。海軍省はまだ包括的な喫煙禁止を構想していませんが、当局は2011年初頭に潜水艦部隊で喫煙を非合法化したことを再現したいと思っています。

 なお、military.comは他に関連記事をもう一件掲載しています。(関連記事はこちら


 時間がないのでごく一部だけを紹介しました。在日米軍でも兵士が外出して起こす事件が多く、日本に関連があることなので取り上げました。

 艦隊任務が辛いため、兵士は何か気晴らしを求めたがります。特に、洋上に出ている間は、たまに開催される甲板上のパーティを除けば原則的に酒が飲めないため、寄港した時の外出中に兵士たちは大騒ぎをするものです。兵士は泥酔して路上や他人の住居内で眠り込んで地元警察に逮捕されたりするものです。日本でも、在日米軍基地の周辺で見られる光景です。

 酒がなければ、次に考えられるのはタバコや薬物です。一見、タバコに見える薬物は艦内にも持ち込みやすいでしょう。「スパイス」は日本では脱法ドラッグのようですが、米海軍では取り締まりを強化しようとしているようです。言うまでもなく、火を使うタバコは艦内では使用して欲しくないものです。艦内で火災が起きれば、大惨事にもなりかねません。実際に、2008年に原子力空母ジョージ・ワシントンが煙草とみられる火災で大きな損害を受けています(関連記事はこちら)。潜水艦部隊での禁煙については、以前に紹介しました(関連記事はこちら)。

 海軍にとって、この問題は根本的解決が難しい問題です。これがどんな結果を出すかは、在日米軍問題にも関係があるために興味が尽きません。



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