米原潜の禁煙は順調に浸透中

2010.12.31

 military.comが米海軍の潜水艦における禁煙の現状を報じました。

 空気清浄をもってしても、潜水艦の中に間接喫煙の容認できないレベルがあること試験が示したため、今年4月に米海軍は洋上にある潜水艦での喫煙を禁止しました。

 オールバニ(Albany)のようなロスアンゼルス級潜水艦では、艦のかなり後ろ、底深いエンジンルームで喫煙が許されています。一度に喫煙できるのは3人なので、すぐに列ができます。

 オールバニの航法助手、ロバート・ミューラー・Jr.上等兵曹(Chief Petty Officer Robert Mueller Jr.)は、当直の前後に喫煙所に向かったものでした。

 オールバニの機関士ランダル・フォグル(Randall Fogle)は、1日に2箱を吸いました。彼だけではなく、全乗組員の約45%は喫煙者でした。

 衛生兵のアレン・トルーハン(Allen Truhn)は航海中に希望する隊員に禁煙クラスを行い、すぐに禁煙したい隊員にニコチンパッチやガムを支給します。

 多くの隊員は禁煙のために処方薬を頼りにします。「ザイバン(Zyban)」や「チャンティックス(Chantix)」は2つの主要な選択肢ですが、潜水艦に配備される11,600人の隊員は向精神薬が禁止されているため手に入りません。

 ミューラーはトールハンの患者の1人でした。26年間の喫煙者のあと、彼は時が来たと決心しました。彼の過去の禁煙は最大で2週間か1ヶ月しか続きませんでした。彼の同僚の多くは、彼が禁煙できるとは思いませんでした。

 トルーハンは約30人が5週間の禁煙クラスに参加し、12週間のプログラムの一環として、別の約15人がニコチンパッチ、約20人がガムを噛みました。50個のガムがなくなった後で、追加のガムを使ったのはひとりだけでした。

 17人いる主任で、2〜3人は依然喫煙していますが、残りは禁煙の過程にあります。


 ミューラーの禁煙体験の部分など、細かな部分は省略し、気になるところだけを訳出しました。

 潜水艦での禁煙は、これまで許されていた方が不思議と思います。なにより、火災を防止しなければならない潜水艦において、火を使うタバコを許可するのはおかしいと考えるからです。また、タバコは吸うと集中力が増すように感じますが、単にニコチンが切れて欲しくなるだけで、当直の間に集中力を欠く原因になります。副流煙による周囲への被害、タバコの煙による装備の汚れを考えても、禁止されるべきものでした。

 上陸中の喫煙は禁じられていないため、航海中は禁煙できても、陸上勤務中に喫煙を再開する者が出てくるはずです。何人が完全な禁煙に成功するかがポイントとなるでしょう。



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