反政府派が首都郊外のヘリコプター基地を奪取

2012.11.26

 BBCによれば、東ゴウタ(Eastern Ghouta)の基地周辺は数ヶ月間にわたって反政府派の手にありました。人権活動家はデリゾール州(the province of Deir Ezzor)の軍用空港を戦士たちが包囲しているとも報告しました。

 地域調整委員会によれば、ダマスカスとその郊外で日曜日に50人が殺されました。未確認の報告は、政府軍が首都近くのいくつかの地域を砲撃で狙いました。反政府派は日曜日の朝、ダマスカスから15kmにあるマージ・アル・スルタン基地(the Marj al-Sultan base)を支配したと、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」の活動家は言いました。

 ビデオ映像は反政府派が破壊されたヘリコプターの横に立ち、男が軍用機が爆破されたと言うのを示しました。他の場面では、反政府派がマージ・アル・スルタン基地を歩き回る様子を示すとされています。

 「the Syrian Observatory for Human Rights」は反政府派がデリゾール州の軍用空港を襲撃しようとしていると言いました。


 マージ・アル・スルタン地区には、陸軍や対空ミサイル基地、ヘリコプター基地など、軍基地がいくつもあります。ヘリコプター基地は2ヶ所あり、どちらが奪取されたのかは分かりません(kmzファイルはこちら )。

 南側の基地は陸軍基地に隣接しています。つまり、この陸軍基地が生きているのなら、すぐに反撃に出ているはずなのです。北側の基地も1.5km足らずの位置にあるので、同様の反撃ができているはずです。それが行われず、数ヶ月間、反政府派の手に落ちているという情報が出たということは、この地域が完全に反政府派の手にあり、反政府派には反撃する能力がないことを示しています。マージ・アル・スルタン地区はかなり広い面積がある地区で、大統領宮殿から20km前後の位置にあります。この重要な情報がこれまで報じられなかったこと自体が不思議です。リビア内乱では、もっとリアルタイムに戦況が報じられました。

 この地域では、以前にSAM基地を反政府派が奪取した映像が公開されていました(関連記事はこちら)。

 やはり、戦況は予想以上に進展しているのです。他にも反政府派が奪取しながら、それが知られていない場所があるはずです。控えめに見ても、この内乱は最終的段階に入りつつあります。

 反政府派が包囲している軍用空港は、多分、ダイル・アッザウル空港のことでしょうが、この記事では明確に書いていないので、確認次第、位置を示します。



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