オマルが「民間人の犠牲を減らせ」と指示

2011.11.6


 military.comによれば、タリバン指導者、ムラー・モハンマド・オマル(Mullah Mohammad Omar)は金曜日のイスラムの祭日のメッセージで、戦士はアフガンの犠牲を減らさなければならないと言いました。

 オマルは犠牲者祭(Eid al-Adha)に先立ってタリバンのウェブサイトにメッセージを投稿しました。

 中間報告で国連は、今年最初の半年で1,462人のアフガン国民がタリバンとアフガン軍、米軍、NATO軍との銃撃戦で殺され、昨年同時期よりも15%上昇したと言いました。国連の報告は民間人の死者の80%を武装勢力とその他がアフガン軍と戦った結果としました。国際部隊とその他の政府支持の部隊は死の14%が原因で、6%はどちらの側にも責任はありませんでした。

 オマルは民間人の犠牲が広範囲に調査されなければならないと言いました。「無辜のイスラム教徒の血がムジャヘディンの怠慢で流されることが論駁できない形で証明されるなら、処罰が『シャリア(Shariah・イスラム法)』に基づいて行わなければなりません…そして、すべての処置は(殺害に関与したそれらの)許しを模索するために行わなければならない」。

 オマルは民間人も自分自身を安全にする措置を取る必要があると言いました。武装勢力の標的となるため「一般人は…村や田園地帯をパトロールするアメリカ人に近寄るのを避けなければならない」。

 タリバンが英語やその他の言語で投稿したメッセージはアメリカに拠点を置く「SITE Intel Group」によって報告されました。

 タリバン指導者は、彼の戦士が戦争に勝ち、米市民の紛争に対する支持が弱まっているとも主張しました。


 更新が遅れて済みませんでした。

 記事の最後はオマルの主張に対する反論が書かれていますが、大した意味がなかったので省略しました。

 本当にこれがオマルの投稿なのかは疑問です。オマルは犠牲者祭にメッセージを出すのを慣例としていますから、それ自体は疑問ではありません。しかし、彼の居場所は2001年以降不明のままです。オサマ・ビン・ラディンよりも活動域が狭いにも関わらず、彼の居場所は分からないのです。パキスタン情報部がパキスタン国内に匿っているという話はありますが、何も確認されていません。死亡説すらあります。

 タリバンが民間人への犠牲を禁じたことは、過去に何度かあります(過去の記事はこちら)。それほど珍しいことではないのですが、戦略的な指示ではなく、民間人の犠牲に言及している点が興味深いと感じます。彼はすでに勝ったも当然と感じているのかも知れません。



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