米軍が苦痛の軽減に鍼治療を導入

2010.8.28

 military.comによれば、米軍は苦痛を軽減するために鍼治療の導入を検討しています。時間を節約するために、この記事は簡単に紹介します。

 6月に、陸軍軍医総監は、迷走やヨガを含む代替治療を示唆する、包括的な苦痛管理戦略の欠如について述べる報告書を出しました。医療分野の一部は鍼治療が効果的だとは証明されていないと主張しますが、米空軍は苦痛と闘うための有望な選択肢の1つとみなしています。アンドリュース空軍基地(Andrews Air Force Base)のマルコルム・グロー医療センター(Malcolm Grow Medical Center)には、軍唯一の鍼治療クリニックがあり、30人以上の軍医を交戦地域で鍼治療を行えるように訓練する計画を始動しました。この計画は来年、空軍、陸軍、海軍が予算を出し、60人の現役医師を医療鍼師の資格を与える2つの教程へ拡大されます。一方で、鍼治療による苦痛の軽減には証拠がなく、偽薬効果だとする人たちもいます。


 鍼治療は日本人には馴染み深いもので、その効果を実感している人は多いでしょう。しかし、西洋文化の頂点みたいな軍隊で認められるのは難しいものです。また、鍼治療も中国を源流として、韓国と日本で独自に発展したこともあり、中には理解しがたいものもあるかも知れません。それでも、鍼麻酔は現代医療の中でも認められています。

 鍼治療の利点は薬物を使わずに苦痛を軽減、除去でき、薬の副作用の心配がないことです。これまでに見てきた苦痛軽減の方法は、大半が薬物でしたから、これは傷痍軍人の一助となります。偽薬効果と批判するなら、先日紹介したエネルギー心理学も一種の代替治療でしょう(関連記事はこちら)。


 

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