イランがタリバンに軍事援助か?

2010.3.25


 military.comによると、一部のタリバン兵がイラン国内で訓練されていると、関係者がCNNに話しました。

 米軍と情報当局者の言によると、タリバン兵はイラン国内で小火器の使い方を訓練されています。情報当局者は「数年前、イランはアフガニスタンのタリバンに武器と弾薬を供給しました。タリバンのために少なくとも小規模な武器の訓練も行われました。この訓練の一部がイランで行われたと信じる理由があります」と述べました。国連のイラン当局者はこれを、まったく根拠のない、まったく間違った主張だと言い、イランは強く否定しました。イラン政府は常にタリバンへいかなる支援も与えていないと主張しています。オバマ政権でアフガンの戦略評価を補助している元CIAのブルース・レイデル(Bruce Reidel)は、イラン人はIEDに熟達していると言いました。「彼らはこの種の知識においては世界で最高です。彼らはこの知識をアフガンのタリバンに伝えようとしています」。イランは主にシーア派で、タリバンは大部分がスンニ派で構成されますが、ライデルはイランがこのグループをアメリカに対抗する手段と見ています。タリバンもまた、相手を選ばずに援助を模索しています。

 先日、ロバート・ゲーツ国防長官がイランのタリバンへの関与は限定的だと述べたと報道されましたが、この記事はそれとは正反対に見えます。イランの主張はあてになりません(前の記事はこちら)。もっとも、レイデル氏が言う支援がゲーツ長官が言う限定的な支援と同一である可能性もあります。単に表現が違うために、同じことが違って見えるのはよくあることです。この報道はもう少し様子を見て判断する必要があります。イランがIEDの知識で世界最高というレイデル氏の言い分も、IEDが極めて単純な兵器であることを考えると、妥当ではありません。米軍がIEDを使わないのは、単に戦争目的に合わないからです。


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