「birthers」の中佐が有罪を認める

2010.12.15

 military.comによると、オバマ大統領がアメリカ生まれでなく、軍の最高指揮官である大統領になる資格がないならば、命令に従わないと言ってアフガン派遣を拒否した陸軍の外科医、テレンス・ラーキン中佐(Lieutenant Col. Terry Lakin)が、派遣の事前準備のためにフォート・キャンベル基地に出頭しなかった件で有罪を認めました。

 しかし、彼はメリーランド州のボルチモア・ワシントン空港からフォート・キャンベル基地への4月の飛行で故意に姿を隠した罪は認めませんでした。ラーキン中佐は第101空挺師団第32騎兵連隊のケンタッキー州の基地へ、アフガン派遣の準備のために出頭することになっていました。

 「私はすべての命令に従わないという誤った選択をしました」と裁判官に言い、出頭しなかったことで有罪を認め、フォート・キャンベル基地への飛行で姿をくらました罪の区別を示しました。残りの罪で有罪判決を下されるかどうかに関わらず、彼は最大で禁固18ヶ月、陸軍からの除隊、すべての給与と手当の喪失に直面します。命令違反4件の罪の1件は、同じ罪が他の罪の1つに組み込まれていたために、すでに法廷により棄却されています。それで有罪になると、彼はさらに6ヶ月間の禁固を受けます。ラーキン中佐は上官に出頭する命令に従わなかったことを認めました。「しかし、フォート・キャンベル基地に行くという私の命令は派遣のためでした」と、これらの派遣命令は不法だったので、彼はそれらに従わなかったと正当化しました。陸軍は裁判は、派遣のために出頭しなかったことを含む彼の命令違反を問うているのであり、大統領とは無関係だと主張しています。


 この事件は過去に何度も紹介してきました。(過去記事 

 オバマ大統領がハワイではなく、ケニアで生まれたために大統領になる資格がないと主張する人たちを俗に「birthers」と呼んでいます。有色人種が初めて大統領になったことが受け入れられない人たちの異常な反応としか思えません。肌の色など、大統領としての能力に比べたら無に等しいことです。前任者の「無能な白人の代表格」であるブッシュ大統領に比べたら、オバマ大統領は数段正しい判断を下してきました。法廷はラーキン中佐の主張を受け入れないでしょう。医師の資格は持っているのだから、ラーキン中佐はすべての法的問題が解消された後で、どこかの病院に勤務することになるのでしょう。



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