陸軍中佐がアフガン派遣を拒否

2010.4.4


 military.comによれば、奇妙な理由でアフガニスタンへの派遣を拒否している陸軍航空医官がいます。

 米国防総省内にある診療所の主任、テレンス・ラーキン中佐(Lt. Col. Terrence Lakin)は、アメリカ愛国者財団(the American Patriot Foundation)を通じて声明を発表し、バラク・オバマ大統領の出生証明書に対する疑問があるため、アフガンへの派遣を拒否すると主張しました。軍当局者は、ラーキン中佐は未だいかなる命令にも違反していませんが、チェックするために指揮官の注意をひきました。「放置する」「行動の管理」「除隊勧告」など、対応には広範な選択肢があります。18年の軍歴を持つラーキン中佐は、第25歩兵師団でアフガンで2005年に最後の海外勤務を行いました。オバマ大統領の出生証明書に関する疑問は2008年の大統領選挙中に浮上しましたが、ハワイ当局が彼のアメリカ市民権を確認すると収まりました。しかし、過去2年間、非主流派はオバマ大統領が座に就く資格がないことを証明するためにキャンペーン活動と訴訟を行ってきました。昨年夏、ジョージア州の法廷は類似した事件で、派遣を拒否する少佐の主張を棄却しました。

 オバマ大統領がアメリカ市民ではなく、よって大統領になる資格がないという主張は、とうの昔に退けられたものと信じていましたが、まだ頑張っている人たちがいるのは驚きです。こうした人たちは、本物のオバマ大統領がケニアで生まれたことを示す出生証明書を公開しましたが、すぐに別人の証明書がウェブサイトで公開されていて、その画像データを本人に無断で修正した偽物であることが判明しました。軍の中にもこれを信じる人がいるとは驚きです。しかも、すでに訴訟を起こした者がいるのです。陸軍の反応は少し気になります。まだ、発言しただけの段階で、軍から逃亡したわけでもないと判断されているのでしょうか。大統領の政策を批判したわけでもありません。しかし、将来は命令に従わないと言っているわけですから、十分に問題だと私は考えます。選択肢が多岐にわたるのは、軍も内心は問題だと考えているためでしょう。 中佐という中堅幹部だから、慎重に対応しようとしているのかも知れません。脱走や無許可離隊の捜査は事実が判明してから1ヶ月経ってから開始されるのが常です。ラーキン中佐が二度と軍には戻らないと言えば脱走罪になり、戻る気があることを示せば無許可離隊になります。よって、この発言から1ヶ月経つと、まだラーキン中佐は実際に脱走していませんが、調査が開始される可能性があります。そして、アフガン派遣を命じられても、中佐が姿を隠さないことも考えられます。これでは彼を起訴できないことになります。軍人が事前に軍規違反を宣言しながら、実際には行わない場合、軍法でどういう判断になるのかは、ちょっと難しい問題です。こんな事件の前例はあるのでしょうか?。

Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.