ハディーサ事件:2被告の裁判が決定

2008.1.4



 裁判が行われるかどうかが疑問視されていたハディーサ事件(2005年11月19日)は、とりあえず2名が被告となることに決まったと、military.comが報じました。

 ハディーサ事件は24人のイラク市民が米兵に殺害された事件です。IEDで米軍の車両が攻撃され、米兵たちは近くにいた武装勢力を追いかけて住宅に入り、そこにいた住民を殺害し、通りかかった車の乗員を殺害しました。さらに、住人が武装勢力に殺されたように偽装しました。しかし、近所の人たちは武装勢力を目撃していないと証言しています。

 フランク・ウートリッチ2等軍曹(Staff Sgt. Frank Wuterich)は、故殺罪、襲撃、職務怠慢で、アンドリュー・グレイソン中尉(1st Lt. Andrew Grayson)は虚偽の報告と司法妨害で起訴されました。ウートリッチ2等軍曹については、殺人罪が考慮されていましたが、最終的に取り下げられ、故殺罪に決まりました。もともと、この事件では死刑はないと見られていましたが、それがさらに軽い刑になったのです。彼はすべての罪状で有罪になると、禁固160年を受けることになりますが、こういう重刑が実際に決まることはないというコメントが記事に紹介されています。

 ウートリッチ2等軍曹は現場の指揮官で、無謀な交戦、職務怠慢、司法妨害に問われています。グレイソン中尉は現場から報告を受けた後の対応が問題とされています。事件の隠蔽に関わったとみられます。ウートリッチ2等軍曹は無実を訴えており、家屋から攻撃を受けたと信じていたので、交戦規則に基づいて攻撃を行った主張しています。しかし、兵士の動きを見る限り、過剰な攻撃であったと考えざるを得ない部分があります。途中で攻撃を止める余地も十分にあったのに、子供まで殺し、現場を隠蔽したのは非常に疑問です。様々な記事をチェックしてきましたが、兵士の主張と現場の状況には乖離があるように感じます。(過去の記事はこちら

 別の記事によると、当初、兵士8人(4人は殺人罪)と将校4人が起訴される見込みが示されましたが、立証の困難さから4人に関する起訴は取り下げられました。さらに、4人に対する起訴が取り下げられ、最終的に4人だけが裁判に掛けられる見込みとなっています。


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