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ラムズフェルドが関与と責任を否定

2007.8.2



 military.comによれば、前国防長官ラムズフェルドが下院委員会で証言し、「私は隠蔽に決して関与していない。ホワイトハウスにはこのようなことを私にさせた者はいない。私の横に座っている紳士たちは高潔で、そのようなことに関与することは決してない」と述べました。

 ラムズフェルドは終始、真剣で慎重でしたが、時折、国防総省の記者会見で見せた居丈高で攻撃的なそぶりを見せました。デニス・クシニッチ下院議員(Dennis Kucinich)はホワイトハウスと国防総省に報道内容を管理する戦略があったかを質問しました時、ラムズフェルドは証拠は一つもないと激しく否定しました。クーキンチ議員はジェシカ・リンチ事件やアブグレイブ刑務所の事件も引き合いに出して追及しました。そのやり取りはぜひ原文を読んでください。

 前統合参謀本部議長リチャード・マイヤース大将は、4月の終わりまでに真相を知っていたが、それをホワイトハウスや家族に知らせるのは自分ではなく陸軍の責任であり、彼らが役目を果たさなかったのは残念だと述べました。前中央司令部指揮官ジョン・P・アビザイド退役大将、前特殊作戦軍指揮官ブライアン・ダグラス・ブラウン退役大将らも同様の証言を繰り返しました。

 ティルマン事件は2004年4月22日に起こりました。アリゾナ・カーディナルズの選手だったパット・ティルマンは911テロ後に陸軍に志願し、レンジャー部隊の伍長としてアフガニスタンに派遣されていました。事件が起きた日、彼は味方に誤射されて死亡しましたが、陸軍は5月29日に家族に真相を告げるまでティルマンが敵砲火によって死亡したと説明していました。ティルマン戦死を報じる最初のmilitary.comの記事には友軍の銃撃については書かれていません。その後、さらに詳しいレポートが掲載されています。

 ヘンリー・ワックスマン委員長(Henry Waxman、民主党)は、参考人全員が責任を否定したことに不満を表明しました。「あなた方全員はシステムが機能しなかったことを認めました。誰に責任があるのであれ、大衆は知らされるべきでしたし、(ティルマンの)家族はより早く知らされるべきでした。個人的に責任を感じる者は一人もいないのに、システムそのものが機能しなかったのです。「システムが機能しなかったけども間違いが起きた」では受動的すぎます。誰かが責任をとるべきであり、我々はそれを解決しようとしています」

 公聴会の後、傍聴席にいたティルマンの家族は無言で立ち去り、活動家が「ドナルド・ラムズフェルド。あんたは戦争犯罪人だ」と叫びましたが、ラムズフェルドは気がつかなかったということです。公聴会の前にも2人の活動家が「戦争犯罪人」と書かれたカードを掲げ「恥ずかしくないのか」と叫びましたが、やはりラムズフェルドは答えませんでした。

 本当に失望を感じますね。真の英雄に対する国の敬意もこの程度ということです。高官たちは戦争に行く者を称賛はしますが、いざとなると自分の身を守ることしか考えません。先日、映画監督のマーティン・スコセッシが911以降のアメリカのモラルハザードを危惧すると述べるのをテレビで見ました。ジェシカ・リンチ事件では、誰がジェシカの英雄談を作り出したのかもはっきりしていません。自衛隊の現役の方々に、政府や国民が自衛隊を持ち上げようとする時には十分に注意してほしいものです。その本音には、自分たちの代わりに死んでくれという意味が暗に込められています。俗っぽい考えに染まらず、軍事的に賢明に考えることに徹してください。

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