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イラク増派で航空機など削減へ

2007.3.14



 military.comによれば、イラクに4.700人、アフガニスタンに3,500人、合計8,200人を派遣するため、ホワイトハウスは2007会計年度の戦時費用として要請しました。このため、いくつかの予算が削減されることになりました。

 F/A-18G 5機( −3億7500万ドル)
 C-130Js 5機( −3億8800万ドル)
 F-35 ライトニング 2機( −3億8900万ドル)
 CV-22 オスプレー 1機( −1億4600万ドル)

 このほか、海軍から8億ドル以上が削減されます。陸軍はハンビーなどの装甲強化キットとMRAP車のために2億5000万ドル、小火器やアフガニスタン軍のための装備品に2,700万ドルなど総計120億ドルを必要としています。これらの予算要求に対して、民主導主導となった米議会は抵抗を示すはずです。これから、その攻防が展開されることになります。ホワイトハウスと議会がチキンレースを行えば、結局は議会は予算を認めることになります。戦費が不足して問題が表面化すれば、大統領府は議会に責任を転嫁し、議会は予算を認めざるを得ないからです。

 私は民主党のイラク政策の主張には欠けるものがあると思っています。政治の世界のディベートでは、まず賛成か反対かの立場を明らかにして、それから理由を述べます。軍事的な考察はもっと複雑で、こうしたやり方は馴染みません。イラク統治に反対となればすべての面で反対する政治的な議論のやり方では、微妙な軍事的な考察はできないと思うのです。世論がどういう反応を示すのかが分からないので、この問題がどのように発展していくのかは分かりませんが、あまり期待はできないと考えます。それに、増派に必要な戦費はもっと増える可能性が高く、これだけでは済まないということにも目を向ける必要があります。早いところ、この膠着した状況が改善されることを願っています。しかし、願っているだけというのは、非常に嫌なものです。

 
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