元駐イラク米軍司令官が政権を批判

2007.10.13



 またもや、ブッシュ政権に痛烈な批判が飛び出しました。今回は、2003年のイラク侵攻後1年間、イラク駐留米軍を指揮したリカルド・S・サンチェス退役中将です。ワシントン・ポストによると、サンチェス中将は、ブッシュ政権が「破滅的に誤った計画」に基づいて開戦し、「アメリカは先の見えない悪夢の中に生きています」と述べました。

 「ブッシュ政権、議会、省庁、特に国務省は、この破滅的な誤りの責任を負うべきで、国民は彼らに説明をさせなければなりません。我々の国家の指導者たちの中に無能な戦略の指導力の明白で不幸な展示がありました」。中将は国家安全保障会議も怠慢で無能だと批判しました。「我々がこの欠陥があるアプローチで果たすことができる最善は敗北を避けることです」。「超党派的に連帯しないと、我々は敗北することが決まっています」。「ワシントンで起こっていることで、我々に希望を与えるものは何もありません」。中将は、「ブッシュ政権がアメリカの人々に効果的に戦争の現実を伝えることに失敗しました」と非難しました。「破滅的に誤った非現実的に楽観的な戦争計画から最近の増派戦略まで、ブッシュ政権は、その政治的、経済的、軍事的な力を採用し、同調させるのに失敗しました」。

 一時期、テロとの戦いをイラクで指揮をとったサンチェス中将にして、この見解です。私は最初から、イラク侵攻は的はずれの戦略だと言い続けてきたのですが、サンチェス中将がほとんど同じ思いだとは驚きでした。最近の米軍人に見られる傾向として、みんな退役してから文句を言うことがあげられます。自衛隊のイラク派遣が検討されている頃、テレビ番組で、自衛官たちの意見を聞いてみたいという人を見かけましたが、現役の軍人は言いたいことが言えないことを知るべきです。「軍人が強く反対していないから大丈夫なのだろう」とは思うべきではないのです。文民こそ、戦争の是非を判断すべきなのです。

 サンチェス中将の発言を聞いて、昨夜の「太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中。」で、テロ戦争に賛成する人たちの信心ぶりを、改めて感心せざるを得ませんでした。彼らは、自分たちがいずれ恥をかくことを理解していないのです。


ミニ・アンケート実施中

無料アクセス解析

Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.