大統領が反対しても基地改名は進む

2020.9.9



 military.comによれば、ホワイトハウスの支持はないものの、米陸軍参謀長は火曜日、軍は南部連合の指揮官にちなんで名付けられているいくつかの基地を改名する考えを捨てていないといいました。

 「私が話を聞いている一部の兵士にとって、それはとても感情的な問題で、その他の兵士は自分がいる基地の人々の名前さえし らないのですから、私は眺めてみる必要があると考えます」と、ジェームズ・マッコンヴィル大将(Gen. James McConville)は「Defense One」が後援する「the state of the Army」のディスカッションの間にいいました。

 陸軍の指揮官は、ミネアポリス警察の拘束中に死んだ非武装の黒人、ジョージ・フロイド(George Floyd)の死に呼応して5月に全土で勃発したデモと暴動の直後に、軍隊の中の多様性の受け入れの必要を強調しはじめています。

 「結局のところ、少なくとも陸軍の指導層として我々が望むものは、我々を分かつかもしれないこれらの事柄を特定して、調べ て、我々が共にあるように、誰もが共にあるようにして、本当に我々をもっと団結したチームになるようにできる解決策を考え出 すことです」と、マッコンヴィル大将はいいました。

 ライアン・マッカーシー陸軍長官(Army Secretary Ryan McCarthy)は6月初頭に、彼は、テキサス州のフォート・フッド(Fort Hood)、ジョージア州のフォート・べニング(Fort Benning)、ノースカロライナ州のフォート・ブラッグ(Fort Bragg)を含めた南部連合の指揮官を称える10ヶ所の基地の名前を変える議論を検討しているといいました。しかし、このアイデアはドナルド・トランプ大統領 (President Donald Trump)が、彼はアメリカの伝統の一部である基地の名前を変えることに反対だとツイートしたときに勢いを失いました。

 しかし、11月の大統領選挙が迫るとき、この問題の議論が終わっていないのは明らかです。

 ベン・ホッジス退役陸軍中将(Lt. Gen. Ben Hodges)は、軍に「直ちに」基地の改名に向けて前進することを要請しました。

 「陸軍は南部連合の将軍にちなんだこれらの基地の名前を変えなければなりません」とホッジスはいいました。彼は現在、欧州 政策分析センター(the Center for European Policy Analysis)の戦略研究の次席です。「気がつきすらするのがキャリアの中であまりにも遅かったことを恥じ、これはどういうことかと考えはじめました。これは擁護でき ません。それを守ろうとするのは無意味です」。

 陸軍は基地で南部連合の旗を展示することを禁止する国防総省の指針を加えることも検討しているところで、兵士が展示を承認 されるリストにより多くの旗を追加するかもしれません。

 7月中旬、マーク・エスパー国防長官(Defense Secretary Mark Esper)は、軍施設で公に展示することが許可される旗を明記する指針に署名しました。南部連合の旗はこれらの掲揚が許されたリストにありませんでした。

 リストには戦時捕虜・戦闘中行方不明者旗とともに合衆国の州、準州、ワシントン特別区を含みます。

 「我々が行うことを望むのは、指針がどのように調整できるかを調べることです」とマッコンヴィル大将はいい、兵士はこの問 題について彼に求め続けていると付け加えました。「我々はどの旗が指針に該当するかを心配する一部の兵士と一部の家族から意 見を聞いています」。

 マッコンヴィル大将は陸軍がリストに加えるのを検討している旗をあげませんでしたが、指揮官は指針を調査し続けるでしょ う、そして「『おい、俺たちはこの旗を持っていなかったのか。これは俺たちがやろうとしたことの意図なのかと問います』。そ れで、議論が進行しているのだと私は思います」。

 「我々は誰もが含まれていて、誰もが属していると感じられるようにしたいのです」と彼はいいました。



 何度も紹介していますが、南部連合の指揮官の名前がついた基地の名前を変える動きは進んでいます。

 大統領は交代しますが、軍の伝統は交代しません。よりよい伝統を求めて、活動が進むのは当然でしょう。ジョー・バイデンが 大統領になれば、基地改名を支持するでしょうから、それまで動きを絶やさなければよいのです。

 これと対象的なのはやはり自衛隊です。自衛隊OBから特定の国へのヘイト発言、あるいは国内にいるそれらの国と関係がある 人達へのヘイト発言をよく聞くことから、隊内でそういう教育が行われていると考えざるを得ません。米軍では人種差別的な発言 が一度でも確認されると、裁判も開かずに、管理上の処罰で除隊処分となります。

 ここでも自衛隊は米軍と大きく差をつけられています。
 

 


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