米軍がベネズエラで航行の自由作戦を実施

2020.6.24



 military.comに よれば、米海軍の駆逐艦はベネズエラが「過度の海事上の主張」をしたあとで、その沿岸付近を、火曜日に軍当局が航行の自由作 戦とよぶ航行を行いました。

 海軍によれば、誘導ミサイル駆逐艦ニッツェ(Nitze)は、非合法のマドゥロ政権(Maduro)が支配していると虚偽 の主張をしたエリア、カリブ海の国際水域で活動しました。当局は政権の主張を「国際法に合致しない」とよびました。

 「合衆国は国際法が認めるあらゆる場所を飛行・航行し、権利を保護し、すべての国に保証された海域と空域の自由と合法的な 利用を続けます」と、米南方軍指揮官、クレイグ・ファラー提督(Adm. Craig Faller)は声明でいいました。「これらの自由は進行中の安全確保の基礎であり、地域の平和と安定の本質です」

 米艦がベネズエラ付近で航行の自由作戦を実施するのは、これがはじめてではありませんでした。沿海域戦闘艦デトロイト (Detroit)が1月にこの国の沿岸で実施したと、米南方軍の報道官、ホセでのルイズはいいました。

 「国際法の下であらゆる国に海洋の合法的な活用を保証する権利と自由を守るために、我々は定期的に世界中で航行の自由作戦 を行います」と彼はいいました。

 ベネズエラ海軍は最近、イランのタンカーを国の沿岸へ護衛しました。ワシントンポスト紙によれば、ベネズエラはイランと強 力なパートナーシップを結んでいて、両国は経済制裁とコロナウィルスに対処しています。タンカーはベネズエラへ燃料を運んで いました。

 トランプ政権はカリブ海で海軍と沿岸警備隊の任務を増やしています。

 「ベネズエラ国民はマドゥロと彼の犯罪的な国の支配のために甚大な被害を受け続け、麻薬密輸人たちはこの無法につけ込んで います」と、4月に新しい任務が発表されたときにマーク・エスパー国防長官(Defense Secretary Mark Esper)はいいました。

 海軍当局者たちは火曜日に、国際水域への全世界的なアクセスは「まさに国際秩序を促進します」といいました。人道支援と災 害救難作戦を含めた、この地域での任務を果たすのを確実にもします、と彼らはつけ加えました。



 ベネズエラは領域について複数の紛争を抱えています。この記事では、どの問題が作戦のテーマとなったかは分かりません。

 しかし、カリブ海の一部をベネズエラが自国領域だと宣言したので、そこは国際水域(公海)であることを示すために駆逐艦で 航行してみせたということでしょう。

 南シナ海でも米海軍は航行の自由作戦を行っています。なぜか、日本でもこれが行われると喜ぶ人がいます。中国が環礁を埋め 立てて造った南沙諸島を自国領土とし、領海を主張していることに対する抗議になると思っているのです。実際には、紛争当事国 すべてに平等な態度を見せるためにコースを選定するので、中国だけに警告している訳ではありません。

 アメリカの敵であるイランとベネズエラの密接な関係や最近、元米兵がこの国でのクーデター未遂で逮捕されている件もありま すが、航行の自由作戦は定期的に行われているので、他意はないと考えられます。

 


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