トランプは基地の改名に反対を表明

2020.6.11



 military.comに よれば、米陸軍当局は南部連合の軍指揮官の名前がつけられた基地名を変更する提案を検討しているといっています。しかし、大 統領は水曜日に、このアイデアを一顧だにしないといって、糾弾しました。

 いくつかの陸軍最大の基地を含めて10ヶ所の基地、中でもノースカロライナ州のフォート・ブラッグ(Fort Bragg)、テキサス州のフォート・フッド(Fort Hood)、ジョージア州のフォート・ベニング(Fort Benning)が問題となっています。それらが南北戦争で北軍に対抗して戦った将軍を讃えるという事実が長らく論争の的となっていますが、改名の後押しが5月25日に警 察の拘束中にジョージ・フロイド(George Floyd)が死んだことに引き続いた構造的なレイシズムに対抗する抗議の中で流れとなりました。

 月曜日、陸軍はライアン・マッカーシー陸軍長官(Ryan McCarthy)が、彼が地元指導者と連邦議会の改名への賛成を望むという条件つきで、このアイデアに注目したことを認めました。

 しかし、一連のツイートで、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は、このアイデアに明白に反対するといいました。

 「これらの巨大で非常に強力な基地は、偉大なアメリカの遺産であり、成功、勝利、そして自由の歴史となっています」と彼は ツイートしました。「アメリカ合衆国な我らが英雄たちをこれらの霊場で訓練し、派遣して、2つの世界大戦に勝利しました。 よって、我が政権はこれらの立派で伝説的な軍事施設の改名を一顧だにしないでしょう。世界で最も偉大な国家としての我々の歴 史には手をつけられません。我軍に敬意を!」。

 ツイッターを通じて政策を知らせる長い歴史をもち、軍務からトランスジェンダーの個人を入れさせない計画をツイートして将 軍たちを驚かせることで軍隊の政策に強く介入するトランプは、今月、暴力的な抗議を鎮圧するのを助けるために、反乱法を発動 して現役兵士を米国の都市に送るかどうかを巡って、軍指導者たちと対立しています。

 トランプは秩序が破られた場所に支配のために現役兵を送ると警告しましたが、マーク・エスパー国防長官(Defense Secretary Mark Esper)は最終的に、彼は法執行を支援するために現役兵を使うことに反対するといいました。

 結局、フォート・ブラッグとニューヨーク州のフォート・ドラム(Fort Drum)からワシントン特別区へ派遣された約1,600人の現役兵は地区に入ることなく基地へ戻りました。

 しかし、基地の改名に関して、トランプはこの問題に最終的な決定権を持たないかもしれません。過去には連邦議会と世論が決 定権を持ちましたが、基地の改名は陸軍長官の権限の範囲にあります。

 陸軍歴史部によれば、メリーランド州のフォート・ジョージ・G・ミード(Fort George G. Meade)をフォート・レオナルド・ウッド(Fort Leonard Wood)へ変える1928年の運動は、ペンシルベニア州の議員が陸軍の予算を抑えると脅して妨害されました。フォート・レオナルド・ウッドは最終的にミズーリ州の陸軍基 地の名前になりました。



 アフリカ系アメリカ人への差別感を持つトランプにとって、奴隷制を支持した人たちの名前がつけられた基地の名前を変えるな んて、許しがたいことなのでしょう。しかし、この件では陸軍長官に権限があります。唯一の対抗策は陸軍長官を解任することで すが、後継者が来てくれるかは分かりません。国防長官はすでにジム・マティスを解任していますし、マティスでダメなら他に務 まる人はいないだろうという認識が高まっています。

 トランスジェンダーの入隊については、過去に何度も取り上げてきましたが、このとき、軍はトランプに煮え湯を飲まされてい ます。時間をかけて練り上げた方針変更が、大統領の一存で大きく変えられたのです。今回も十分に隊内で練り上げた案を大統領 が拒否するようなら、軍と大統領の確執はさらに高まります。それは大統領に指揮能力がないという認識を米国民にひろげます。

 参考のために調べると、ジョージ・G・ミードは南北戦争のときに北軍の少将でした。レオナルド・ウッドは第一次世界大戦を 戦った、総参謀長にもなった軍人です。改名運動の理由はよく分かりません。ユリシーズ・グランド中将との関係が悪かったこと は、改名運動があったころには影響を及ぼさないように思われます。ミードはペンシルベニア州出身だったので、この州の議員が 改名に反対したのは理解できます。

 


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