病院船コンフォートの活動まとめ

2020.5.5



 米海軍の病院船コンフォートが新型コロナウイルスへの対応を終えて母港に戻りました。military.comの 記事で活動を振り返ります。

 ほとんどのホームカミングでは、埠頭の終端にあるゲートに家族連れが詰めかけ、ボードを振りながら、愛する人がついに船を 降りるのを待っている姿を見ます。

 そのかわりに、USNS コンフォート(Comfort)は、まったくファンファーレはなく、ノーフォーク海軍基地(Naval Station Norfolk)の12番埠頭ににじり寄りました。ママやパパを迎えに来たすべての配偶者と子供たちは、社会的距離を保つために車に追いやられました。

 赤十字の標章を描く巨大で白い病院船は先月をニューヨーク市で過ごし、街が現地で13,000人を越える死者を出したコロ ナウイルスの大流行と戦うため、予備の病院として機能しました。

 コンフォートは金曜日に、艦を消毒し、乗員がウイルスの検査を受ける間、ハンプトン・ローズ港(Hampton Roads Harbor)のすぐ外で係留されて過ごした後、土曜日の早朝にのノーフォークに帰港しました。

 艦はニューヨークで182人の患者を治療したと艦長は土曜日に言いました。患者の約70%は重篤のコロナウイルス患者でし た。

 「我々はそれ(ニューヨークの病院)が見たものを見ました」とコンフォートの医療要員を指揮するパトリック・アマースバッ チ大佐(Capt. Patrick Amersbach)は土曜日にいいました。「我々は先月、国防総省で最も忙しい集中治療室でした」。

 彼らは25人の人工呼吸器をつけ、複数の臓器不全の症状で、艦の医療要員からたくさんの一対一の注意が必要な患者がいた、 とアマースバッチ大佐はいいました。

 コンフォートで帰還する約1,200人の隊員の多くは、土曜日に下船したあとで直接帰宅できないかもしれません。

 タスクフォース・ニューヨーク・シティ(Task Force New York City)の指揮官、ジョセフ・オブライエン大佐(Capt. Joseph O’Brien)は土曜日、艦を去る隊員全員は、今後14日間は疾病病理センター(the Centers for Disease Control)のガイダンスに基づいて、睡眠をとり適切な社会的距離を維持するために自室にいることを含めた隔離を行います。

 ある者はそれらのガイドラインによって自宅に留まれますが、それができない者たちは海軍によってホテルや兵舎に14日間収 容され、最後には再び試験を受けると、オブライエン大佐はいいました。

 幼児や赤ちゃんを連れた待ちきれない様子の夫や妻のかわりに、白いバスの車列が乗員を検疫所に送り出すために埠頭の終端に 列をなしていました。

 「違います。何もかもが違います」と、オブライエン大佐は無言の帰還についていいました。



 コンフォート帰還の記事が出たので、最終的な数字のまとめをしようと記事を紹介しました。

 結局、182人を治療して、その中の70%が新型コロナウイルスの患者でした。概算で127人がコロナウイルス患者、それ 以外が55人ということです。前に報じられた記事では179 人を治療したとのことでした(過去の記事はこ ちら)。非コロナウイルス患者を治療する計画が、一般の患者が少ないのでコロナウイルス治療へ切り替え、集中治 療室をフル活用した結果でした。コンフォートの集中治療室は80床ですが、人工呼吸器をつけるような患者は25人とのことだ から、それ以外の100人は軽症か無症状の人のはずです。この人たちも集中治療室に隔離したり、20床の術後回復室に収容し ていた可能性がありそうです。

 症状が軽くなったコロナウイルス患者は最終的に陸上の病院へ転院させたのでしょう。その辺の移動も考えると、やはり伝染病 治療は面倒かと思いますね。

 病院船は、ある程度は陸上の病院の支援は果たせたとはいえそうですが、やはり本筋は陸上の病院の拡充と思われますね。


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