ベネズエラ・クーデター未遂事件の続報

2020.5.11



 militarytimes.comに よれば、米陸軍は今週早くに起きた未だに詳細が不足する事件、ベネズエラへの失敗した侵入に関与した元グリーンベレー3人の 軍歴を提供しています。

 軍歴はベネズエラ国営テレビが、ベネズエラ当局がベネズエラ人の非正規兵60人と共に逮捕したという元グリーンベレー2人 のうちの1人の尋問から編集された映像を公表したのと同じ日に出ました。

 民間軍事コンサルタントに転じた元グリーンベレーはジョーダン・グードロー(Jordan Goudreau)は、日曜日に急襲を発表したビデオ映像の中で、彼が作戦を組織するのを助けたといいました。彼は後に現在は削除されたツイートの中で、米特殊部隊の退役 軍人2人の身元を明かしました。彼は水曜日にオフィス宛てのコメントの要請に応えませんでした。

 元1等軍曹で43歳の元グードローは、特殊部隊医療軍曹と間接射撃歩兵として2001年から2016年まで現役を務めまし た。グードローに関連づけられるLinkedIn(ビジネス特化型SNS)のアカウントは、彼はかつて1990年代中期に3 年間、カナダ軍に勤務したことがあると述べます。

 米軍隊員として、彼は2006年11月から2007年4月までと、2010年3月から2010年9月までイラクに派遣され ました。彼は後に2011年5月から2011年6月までと、再び2014年1月から2014年6月までアフガニスタンに派遣 されました。

 グードローは青銅章3つ、レンジャー・タブ、特殊部隊タブ、戦闘歩兵章と落下傘兵章を受勲しました。

 元3等軍曹で41歳のエラン・ベリー(Airan Berry)は1996年から2013年まで特殊部隊技術軍曹として現役を務めました。彼は2003年3月から2003年6月まで、2004年11月から2005年6月ま で、2007年2月から2007年3月までイラクに派遣されました。

 ベリーは青銅章2つ、コソボ作戦章、レンジャー・タブ、特殊部隊タブ、戦闘歩兵章、専門歩兵章、落下傘兵章、特殊作戦ダイ バー章と特殊作戦ダイビング指揮章を受勲しました。

 元2等軍曹で34歳のルーク・デンマン(Luke Denman)は、2006年から2011年まで特殊部隊通信軍曹として現役を務め、後に2014年9月まで陸軍予備役を務めました。彼は2010年3月から2010年9 月までイラクに派遣されました。

 デンマンは陸軍賞賛章、特殊部隊タブ、戦闘歩兵章と落下傘兵章を受勲しました。

 グードローの軍事コンサルタント会社「Silvercorp USA Inc.」の登記は、2018年2月付けで、フロリダ州メルボーン(Melbourne)に会社の主住所があります。登記はグードローをCEOと、ドリュー・ホワイト (Drew White)をCOOと特定もします。ホワイトは昨年の秋にグードローとの関係が破綻した、元陸軍の友人です。ホワイトの軍歴は水曜日に手に入らなかったと、陸軍当局者は いいました。

 AP通信は水曜日に、米当局はグードローが武器輸送規則に違反した可能性への連邦調査の初期段階にあると報じました。匿名 の当局者によると、調査はコロンビア警察がトラックで輸送されていた大量の武器を3月23日に押収したことから生じたとAP 通信は報じました。

 水曜日に公表された極度に編集されたベネズエラ国営メディアのビデオ映像の中で、デンマンと特定される拘束された男は、彼 がグードローに最初にあったのは2009年にドイツに配属されていた間で、今年早くからSilvercorp社で働き始めた といいました。彼は、彼の仕事はコロンビアの基地から反乱兵に任務立案と訓練を提供することで、5万ドルから10万ドルの報 酬を期待していたといいました。

 デンマンは、彼と他のグリーンベレーは、航空機がベネズエラのニコラス・マドゥロ(President Nicolás Maduro)を拘束したあとで国外に連れ出すせるようにカラカス(Caracas)の空港を制圧するよう指示されたと、尋 問官に述べました。デンマンの地元の町、オースティン(Austin)の地元メディアは、彼は2012年から2014年の間 に、テキサス州専門学校(Texas State Technical College)で航空機パイロットの訓練を受けたとのべました。

 「私はベネズエラ人が国の支配を取り戻すのを助けていたのです」とデンマンはビデオ映像の中でいいました。

 このような録画され編集された告白は強要の下でなされた可能性があります。質問者に促されたとき、デンマンはドナルド・ト ランプ大統領(President Donald Trump)がグードローに命じたといいましたが、その過程で彼は大袈裟な目の動きをしました。

 マイク・ポンペオ国務長官(Secretary of State Mike Pompeo)は水曜日に、トランプとマーク・エスパー国防長官(Defense Secretary Mark Esper)が前日に否定したのを繰り返しました。

 「我々が関与していたら、違ったものになったでしょう」とポンペオはいいました。「誰がそれに資金提供したかについて、 我々が行われたと知ることについて、これ以上の情報を共有する準備はありません。我々は適切なときに、それを開示します」。

 デンマンの尋問の中で、退役軍人はアメリカが支援するベネズエラの反体制指導者、ホアン・グアイド(Juan Guaidó)に計画の初期の共謀者としての関与を示しました。グードローも、どこにでもある一般的サービスについての8ページの合意へのグアイドの署名とみられるものを 示す契約書を公開しました。しかし、グードローはグアイドは合意についてまったく支払いをしなかったと指摘しました。

 グアイドはグードローの計画への関与を否定しています。

 「ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)、あなたには責任があります。彼らは作戦について知っていて、彼らに潜入し、虐殺するために彼らを待っていました」とグアイドは火曜日にいいました。

 戦闘員およそ8人が日曜日の戦闘で殺されたと報じられました。なにがグードローを不幸な結末に終わった計画が成功すると信 じさせたかは不明です。

 「触媒になる人を取り入れる必要があります」とグードローは月曜日に電話インタビューでいいました。「決して、私は60人 の男たちが入り込めば政権を倒せると言っていません。私は60人の男たちが入れば、軍隊と警察が態度を変え、解放に参加する よう触発できるといっています。それは彼らが望んでいることです」。

 グードローは急襲をツイッターに日曜日に「打撃力」だと発表し、トランプのツイッター・アカウントにタグづけしました。彼 の会社のソーシャルメディアのページはその後、削除されました。

 2017年11月にマドゥロの軍隊によるシッゴー社(Citgo)の商談の間に逮捕されたアメリカ人5人は、いまだにこの 国に勾留されています。2カ国間の外交騒動のために、勾留されるアメリカ人退役軍人を今すぐ支援できる、ベネズエラの首都カ ラカス(Caracas)で活動する大使館はありません。

 国務省によれば、領事のサービスすべては、犯罪、市民の暴動とベネズエラ経済見通しの劇的な降下のために、2019年3月 に中断されました。



  グードローは下士官でした。普通、民間軍事会社は軍の高官が務めるものです。それも将官が有力ですね。下士官で民間軍事 会社を立ち上げて、しかも創業者の一人が離脱したという点で、会社自体にも疑問があります。会社の公式ホームページの内容が 盗用だらけだという記事もあります(関連記事はこ ちら)。

 60人が触媒だとしても、作戦を決行するときまでには、蜂起する部隊があることを確実にしておく必要があります。それなし に反乱は成功しません。それらに関する情報は今のところありませんが、あまり練られた作戦ではないように思います。

 それに、作戦は漏れていたようです。3月にコロンビアで武器が応酬されたことは、ベネズエラ政府に知られていたでしょう。 反乱兵の訓練が行われていると、当然、政府は考えたはずです。グアイドがどれだけ真相を知っているかは分かりません。当然そ うだろうという推測を述べただけかもしれませんが、侵入者たちが一網打尽になったことは、それを思わせます。もっとも、マ ドゥロ大統領が逮捕に協力した漁民を賛美していることから、単に漁民に不審船として通報されただけかもしれません。

 過去に民間軍事会社が内線に関与したとみられる事例がありますが、この事件もそれに似たものかと思いました。実際は少し 違っているのかもしれません。真相はまだ分かりませんが、民間軍事会社を考える上で、この事件は重要です。さらに続報を調べ ているので、また紹介します。

 


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