米議会が対ウイルス用軍事予算を承認へ

2020.3.26



 military.comに よれば、症例が全米で拡がり続ける中、進行中の新型コロナウイルスのパンデミックへ対応するために提出された根本的な救援 パッケージの一部として、連邦議員は州軍兵士を派遣し続け、軍人家族と退役者に給付金を与え、軍のワクチン研究計画を前進さ せるために国防総省へ105億ドルを与えます。

 「コロナウイルス・エイド(The Coronavirus Aid)」と「経済保証法(Economic Security Act)」として知られる緊急予算は、水曜日に承認される見込みです。対策は、COVID-19の症例がさらに増えたら病床のスペースが需要を下回ると専門家が警告するた め、遠征軍病院を開設するために国防総省へ105億ドルを与えます。何人かの州知事は国防総省にこうした計画をはじめるため に陸軍工兵隊を派遣するよう求めました。

 この動きは軍医療施設で現在使える4,300床から病床数を3倍にすると、法案の要約文は述べます。

 救援対策は、それらの州で、知事の指揮下で、今後半年間、州軍兵士最大20,000人を活動させ続けるために14億ドルを 提供します。

 国防総省はここ数週間、疾病対策センター(the Centers for Disease Control and Prevention)と、その他の省庁とともに、コロナウイルス対応を支援するために、複数の州で州空・陸軍の隊員へ提供するために活動してきました。水曜日の時点で、 約10,700人の州軍兵士が全50州と3つの準州で任務についていました。

 計画は10億ドルを国防生産法(the Defense Production Act)に拠出することも求めます。この法律は医療従事者のために、需要の高い医療・個人用の防護装備を生産するために同省に生産能力に資金を使えるようにします。コロナ ウイルスとの戦いの最前線にいる医師と看護士は、感染力が高いウイルスに感染した患者を治療するために必要なより多くのマス ク、手袋、その他の資材を懇願しています。

 法案は沿岸警備隊が情報技術と遠隔アクセスの必要を支援するために、予備役を配備するために1億4100万ドルも与える と、要約は述べます。多くの政府の労働力と軍隊は現在、コロナウイルスの拡散を食い止めようとして、遠く離れて活動していま す。

 多くの隊員と彼らの家族も、パッケージの一環として個人に送られる回復還付を受ける資格がありそうです。年間75,000 ドルに満たない収入しかない個人は政府から1,200ドルの小切手を受け取る資格を得られます。一緒に税金を申告し、合計で 150,000未満の収入の夫婦は2,400ドルを受け取ります。

 法案によれば、子どもがいる家族も子ども一人につき別に500ドルもらう資格があります。

 バーモント州選出の民主党員の上院歳出委員会議長パトリック・レーPatrick Leahy)は、コロナウイルス危機への連邦議員の対応は段階的に来るだろうといいました。

 「今日の我々の対応はアメリカ国民に直接的な支援を与え、彼らが最も必要とするところに新しい資源を投入し、前よりも強力 にこの国をこの危機から脱出させるのに一歩近づかせています」と彼はいいました。

 民主党議員が法案に追加したとみられる対策には、コロナウイルスとの戦いで国防総省に提供された金すべてを、米=メキシコ 国境沿いの壁に支払うように転用することを造る禁止する規定があります。

 トランプ政権が南西国境沿いに障害物を設置するとの誓約を続けるために、今年早くに数百億ドルが国防総省の計画から引き出 されました。

 上院の法案は、退役軍人の医療のニーズがパンデミックで中断しないことを確保するために、復員軍人援護局の約200億ドル も含みます。

 記事に「遠征軍病院(expeditionary military hospital)」と書かれていますが、これは普通、「遠征医療支援システム (Expeditionary Medical Support System: EMEDS)」と呼ばれる装備です。テント型の病院を野外に設置するための一式の装備を指します。これは他の陸軍の病院と同じく、感染症に対応していないから、非新型コロ ナウイルスの患者を治療して、地元の病院の負担を減らすために使われるでしょう。

 「陸軍工兵隊」は戦闘部隊の工兵隊とは違い、大規模な土木工事を担う軍隊と関係する民間組織です。EMEDSを設置する場 所の整地を行うと考えられます。

 日本のショボい緊急対策と違い、アメリカの支援は桁が違います。日本では一人3万円程度の給付が検討されていますが、アメ リカは子ども一人につき55,000円に相当する給付を受けられます。さらに低所得者への給付もあります。

 他国の支援は生活基盤を維持し、経済の悪化を防ぐことを主眼にしていますが、日本はできるだけ国民に集めた税金をばら撒か ないことを主眼にしています。その結果、どうなるかは考えていません。

 


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