駐イラク米軍が対イスラム国任務を中止

2019.1.7


 military.comに よれば、コッズ隊(Quds)のカシム・スレイマニ少将(Maj. Gen. Qasem Soleimani)殺害のために、イラクの米兵5,000人は、予想されるイランとその代理者からの報復に対して部隊防護に焦点を置くために対イスラム国任務を中止して いると、米司令部は日曜日にいいました。

 任務の変化についての生来の決意作戦(Operation Inherent Resolve)の統合タスクフォースの声明は、この国から米軍の完全撤退を求めるイラク議会での増加する要請の中に来ました。

 土曜日の夜の2回を含めた、過去2ヶ月間のわたるイラクの米軍陣地への連続するロケット攻撃は、パートナーの訓練実施と ダーイシュ(イスラム国の別名)に対する彼らの作戦支援を行う能力を制限しているため、我々はこれらの活動を中止していま す」とタスクフォースは声明でいいました。

 アメリカは未だにイスラム国に対する訓練、助言、支援に関与していますが、声明によれば「我々の最優先事項は同盟の要員す べてを保護することです」。

 タスクフォースは、アメリカの請負業者を殺し、米兵数人を負傷させた12月27日のキルクーク付近の基地に対する攻撃を含 めて、過去2ヶ月にわたる少なくとも11回の広範囲を狙った攻撃をイランが支援するカタイブ・ヒズボラ(Kata'ib Hezbollah・KH)の民兵が犯人であると言及しました。

 キルクーク攻撃に応じて、米軍のF-15ストライク・イーグルがイラクとシリアのKHの5ヶ所の目標に向けて空爆を行いま した。

 先の木曜日、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)はスレイマニを殺害した攻撃を命令しました。彼は2003年のイラク侵攻以降、数百人の米兵を殺した攻撃の主犯としてアメリカが起訴しています。

 日曜日の声明で、生来の決意作戦の報道官、マイルズ・B・コギングズ二世大佐(Col. Myles B. Coggins II)は、土曜日の夜に、2回以上のロケット攻撃がバグダッドのグリーンゾーンに対して立て続けに起きたことを認めました。グリーンゾーンは米大使館とバラド空軍基地 (Balad Air Base)を収容します。犠牲者はありませんでした。

 最初の攻撃は現地時間午後7時46分頃にグリーンゾーンに対して、2回目は午後7時50分にバラド基地に対して起きたと、 コギングズ大佐はいい、最後の攻撃は過去2ヶ月間にわたる総数を13回にしました。

 彼はイラク北西部のモスル(Mosul)付近での3回目の攻撃の報道は虚偽だといいました。

 イラクのイスラム国に対する対テロ任務を中止するという衝撃的な動きは、スレイマニ殺害についてのバグダッド政府の非難を 示し、イラクが米・イラン戦争の戦場になるのを避けるため、イラク議会が米軍の撤退を明示するべきとの要請を議論するときに 来ました。

 議会の演説で、12月初旬に辞任を発表し、暫定の世話役として地位に留まったアディル・アブドゥル・マフディ暫定首相 (acting Prime Minister Adil Abdul-Mahdi)は、イラクの5,000人と見積もられる米兵全員の撤退を引き起こすことを「緊急手段」と呼びました。

 「起きたことは政治的な暗殺でした」と、アブドゥル・マフディ首相は、2台の車列で移動中にバグダッド国際空港への道路上 でKHの指揮官のスレイマニとその他数人を殺した攻撃についていいました。

 アブドゥル・マフディ首相は、「我が国の国家主権の利益のために」米軍はイラクを去らねばならないといいました。

 イラク議会での米軍撤退を求める増えつつある要請に関わらず、マイク・ポンペオ国務長官(Secretary of State Mike Pompeo)は日曜日、イラク国民は米軍が居残ることを望むと「我々は革新している」といいました。

 しかし、ポンペオ長官は日曜日に「Fox News」で、撤退の正式な要請がイラク政府から来たら「我々は我々がすることを調べないとなりません」といいました。

 スレイマニを殺した攻撃は、イランの最高指導者、アヤトラ・アリ・ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)からの報復の誓いが、アメリカとの全面戦争につながるかどうかで、どのような形をとるかを見越して、地域全体の神経を尖らせました。

 日曜日にテヘランで、元国防大臣で現在はハメネイ付きの軍の最高顧問のホサン・デガン(Hossan Dehghan)は、イランの対応は米軍に対する攻撃に制限されるだろうといいました。

 「確実に対応するのは軍隊であり、軍事基地に対してでしょう」とデガンはCNNにいい、イランはより広範な戦争を考えてい ないとつけ加えました。

 しかし、イスラム革命防衛隊の指揮官、ホセイン・サラミ少将(Maj. Gen. Hossein Salami)は、米軍に対する攻撃に制限されない報復を警告しました。

 イランのファーズ通信社によれば、イランの報復は厳しい報復のために決然と随意に攻撃する、広大な地理にわたって行われる だろうと、彼はいいました。

 軍事的手段には実施前に予測できない展開がつきもので、スレイマニ暗殺には、イラクでの対イスラム国任務の中止と イラクからの完全撤退という問題が突きつけられました。

 現場の兵士たちは、トランプのお陰で予定が大きく狂ったと思っているでしょう。イスラム国は消滅したのではなく、より小さ な細胞となって隠れています。それらを見つけて、完全に打倒するまで、戦いは続きます。それをトランプは近視眼的な判断で中 止させました。

 イラクはイランが国内で米軍を攻撃するのを避け、二カ国の戦争の巻き添えにならないようにしたいと考えます。米軍がイラク から撤退すれば、対イスラム国任務はほぼ実施ができなくなります。

 トランプの空っぽの頭では、こうしたことを予測できません。スレイマニがイランにいる時に攻撃したのではなく、イラクにい る間に殺したことの影響は避けられません。

 当初、この暗殺は高官の助言によるものとされましたが、国防総省はこのような助言はしません。他の報道では、いくつもの案 を示し、スレイマニは大統領が選ばないであろう、最も極端な案として示されたとされます。普通の大統領なら選ばないものを、 トランプのような変人は躊躇せず選ぶのです。トランプのへそ曲がりな性格を配慮しなかった国防総省は大きなミスをしたので す。トランプに、彼が選ぶとまずい書類は見せないことです。

 昔からトランプは自己中心的な性格で、与えられた権限はフルに使います。それが自分の権利だと信じて疑わないのです。

 トランプはシリアからも米軍を撤退させ、今度はイラクから本人の意図とは関係なく米軍を撤退させようとしています。もとも と、米軍を本土へ戻したがっている人ですから、自然と彼の判断はその方向で動くのでしょう。

 イランがどの程度の報復攻撃をするかにより、これから中東に派遣される自衛隊にも影響が出ます。

 


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