スレイマニ暗殺は正当だったか?

2019.1.15



 military.comに スレイマニ暗殺に関する法的な概説が載りました。記事の中段に書かれているので、そこだけを紹介します。これはスレイマニ暗 殺は正当だとする説で、著者はベストセラーの軍事史と国際問題の執筆者、ジョセフ・V・ミキャラフ(Joseph V. Micallef)です。

トランプ政権がスレイマニを殺したのは正当だったか?

 スレイマニの死は暗殺でした。彼は戦場で殺されたのではなく、アメリカによって意図的に標的とされました。敵対国の指導者 層を攻撃することは戦争では認められたところです。米軍が紛争で行う第一のことは敵の「指揮系統」能力の攻撃です。

 この習慣は目新しくありません。多くの古代の戦いは、片方の指揮官や君主が戦場で倒れたときに終わりました。アメリカ独立 戦争の間、イギリスはジョージ・ワシントン(George Washington)を暗殺しようとしました。第二次世界大戦中、米軍の戦闘機は、真珠湾攻撃の立案者、日本の山本五十六提督(Isoroku Yamamoto)を、山本の移動計画の情報の結果として、運ぶ航空機をニューギニア上空で待ち伏せました。

 冷戦中、政治的な暗殺は両サイドの作戦ノートの一部でした。KGBはヨシップ・チトー(Joseph Tito)からポープ・ジョン・ポール2世(Pope John Paul II)まで大量の暗殺の試みに関与しました。スターリン(Stalin)は恐らくアメリカの映画俳優で、反共論者のジョン・ウェイン(John Wayne)の暗殺を一度命令しました。CIAら何度かフィデル・カストロ(Fidel Castro)の暗殺を試みました数多い最近の有名な批判者のロシアの暗殺は、それが未だにクレムリンの一般的なオプションであることを示します。

 アメリカは厳密にいうと、イランと戦争をしていません。外国政府の当局者を暗殺するのは犯罪行為です。一方で、ワシントン はテヘランと戦争をしていないものの、平和だというのはバカげています。つかの間の期間は共通の敵に対して協力したにも関わ らず、過去40年間、アメリカとイランはほとんど継続的に紛争状態にありました。

 両国は相手の野望を打ち砕き、この地域の彼ら自身の目的を進展させるために、直接または代理者を通じて暴力に訴えました。 この断続性の状態は完全な戦争ではありませんが、完全な平和でもなく、数十年続く紛争は、現代的な国際システムの特徴の一つ です。法律上は、これは定まらないままの紛争の規則のグレーゾーンです。

 トランプ政権はスレイマニの暗殺は、彼がアメリカ人とその利益に対する差し迫った攻撃を計画していたのだから正当だったと 主張しました。これにより、政権の批判者は「差し迫った」の意味を分析し、差し迫った攻撃の「証拠は不十分」と主張しまし た。

 これはポイントを外しています。スレイマニは20年間以上、アメリカ人とアメリカの利益に対するイランの攻撃の中心でし た。

 この地域での彼の最近の動きと、バグダッド(Baghdad)での存在は、彼の目的が変わっていないことを強調します。さ らなる攻撃が明白にあったのですから、攻撃が翌日、翌週、翌月にあったかは重要ではありません。

 ロイターを含めたメディアにリークされているいくつかの諜報報告によれば、スレイマニはとりわけ、イラクで反イランの感情 が増える傾向にあるのを心配していました。これらの情報源によれば、彼はイラク国内のイラン人民兵にアメリカの基地と隊員に 対する攻撃を強化するよう指示し、彼らにドローンとソ連時代のカチューシャ多連装ロケットランチャーを与えていました。この 意図はイラク領域に対するアメリカの反応を引き起こし、それによって、イラク人の怒りをイランから逸らし、アメリカに向けま した。

 目的が手段を正当化するかは、誰もが自分で答えなければならない問題です。私としては、アメリカはスレイマニ殺害は正当 だったと考えます。

 時間がないので簡単に書きます。

 スレイマニ暗殺は国際法違反だという意見もあり、この記事のように正当だと考える意見もあります。参照する情報により、ス レイマニの危険度は変化しますから、暗殺の正当性に関する議論も結論は変わります。ここではひとまず、正当だったとする意見 を紹介しました。



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