バグダディが音声メッセージを公表

2019.9.17


 military.comによれば、イスラム国の指導者は月曜日に、過激派グループのメンバーに刑務所と収容所に囚われるイスラム国の勾留者と女性を自由にするためにあらゆることをするよう求める新しい音声記録とされるものを公表しました。

 アブ・バクル・アル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)とされる音声は、その中で彼のグループは異なる国で攻撃を行っているとも述べ、影の指導者が5年ぶりにビデオ映像に現れた4月以降、最初の公の声明となりました。

 グループのメディア機関「アル・フルカン(Al-Furqan)」が公表した30分の音声記録の中でバグダディは、イスラム教徒の女性たちが、彼が「十字軍とシーア派の手下が運営する屈辱の刑務所」と呼ぶ収容所に囚われるときに「イスラム教徒は人生を楽しめるのか?」

 敵対者の大量殺人と大陸の至る所とヨーロッパ中心部でのテロ攻撃を指示し、導いて、ぞっとする暴力組織を操る責任を負い、アメリカが彼の首に2500万ドルの報奨金をかけたため、アル・バグダディは世界の最重要手配者です。

 イスラム国は2017年にイラクで打倒され、シリアで3月に最後の領域を失い、過激派の自称カリフ(教義を元に運営される国家)の最後を迎えました。

 これらの戦場の敗北に関わらず、イスラム国のスリーパー(身分を隠して必要な時に行動する工作員)の細胞はイラクとシリアで攻撃実行を続けています。

 アル・バグダディは新しい音声記録の中で、戦士たちはイスラム国のメンバーを尋問している尋問官と裁判官を狙うべきだと言いました。

 彼は収容所に囚われる勾留者と女性たちに耐えるようにも求めました。最大の収容所の一つは、シリアの北東部、ハサカ州(Hasakeh)にあるアル・ホル収容所(al-Hol)です。それは約73,000人の人々を収容します。彼らの多くはシリアのグループの最後の拠点から生じたイスラム国の家族です。数万人の戦闘員とグループのその他のメンバーはシリア北部一帯とイラクの勾留センターに勾留されています。

 シリアでは、センターはアメリカが支援するシリア民主軍が統制します。この軍はシリア東部でのイスラム国との戦いの先鋒でした。


 この記事を読みながら、日本はイスラム国との戦いに何もしなかったことを、つくづく思いました。テロ組織のメンバーの収容所の運営のような戦いの後の処理にも何の関心も示していません。

 グチはともかくも、イスラム国の活動が姿を変えていることは認識しておく必要があります。

 テロ組織は場所を問わずに活動できる場合もあり、それが国家と違って有利な点だといわれています。もちろん、土地にしがみつくテロ組織もありますが、アルカイダは比較的、場所を選びやすい性質のテロ組織でした。

 ところが、イスラム国は名前もそうですが、最初から国家を目指しました。カリフの樹立を目標として、貨幣も発行しました。しかし、そのために通常の戦争と同じ活動を強いられ、正規軍によって打破されました。小火器しか持たないテロ組織にとって、それ以外の支援兵器が使える軍隊との戦いは困難です。

 しかし、いまや領域を失ったので、どこででも活動できる状態になりました。爆弾テロ程度のことはいつでもできます。小さな細胞は見つけにくく、攻撃を阻止するのも困難です。丹念に情報を集めて、拠点を見つけて叩く、気の長い戦いになります。

 


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