米陸軍少佐の機密情報漏洩が不問に

2019.8.14


 military.comによれば、先週、委員会は、インサイダー攻撃の恐れについて警告するために機密情報を同僚へ送ったあと、軍に留まるために何年も戦った海兵隊員は軍務を認められるべきだと結論しました。

 海兵隊員予備役のジェイソン・ブレズラー少佐(Maj. Jason Brezler)は先週、ニューオリンズ市(New Orleans)で新しい査問会にかけられました。少佐は彼がアフガニスタンで地元警察署長がタリバンとつながりがあると考えられることについて、彼らに警告するために機密書類を海兵隊員へ送った約1年後、 2013年から除籍勧告と戦っています。

 連邦地方裁判所判事が、軍は彼に彼が必要とする記録にアクセスを与えていなかったとして、彼は新しい査問会を受けて当然だと裁定し、2016年に元の処罰を却下した後、彼の事件を適切に議論するために彼の事件を審査するための新しい委員会が招集されました。先週の委員会の決定は月曜日にワシントンポスト紙が最初に報じました。

 委員会はブレズラー少佐が適正に将校の階級と専門知識の任務を果たさず、公式な機密書類とファイルを許可なく不正に移動して命令に違反したと結論しました。しかし、これらの理由は海兵隊から除籍する理由とならないと委員会は言い、彼は軍務を続け、事件は最終的に完結することを勧告しました。

 ブレズラー少佐は機密の資料を派遣の初期にアフガニスタンの外へ持ち出したと結論されました。彼は資料を使って本を書く計画でした。彼は同僚に、彼個人のコンピュータと電子メールアカウントから機密情報を含む警告を出した件で起訴されていました。

 5日間の再審理の間、目立った数人の証人がブレズラー少佐の側で証言したと、彼の弁護士、マイケル・ボウ(Michael Bowe)はMilitary.comにいいました。証人は、最近、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)の首席補佐官を務めたジョン・ケリー退役大将(Gen. John Kelly)、ブレズラー少佐のアフガニスタンでの指揮官のひとりで、ブレズラー少佐が消防士として勤務する複数のニューヨーク市消防局の指揮官、ローレンス・ニコルソン退役中将(Lt. Gen. Lawrence Nicholson)を含みました。

 ブレズラー少佐の警告の数週間後にアフガニスタンのジムで運動中に射殺された海兵隊員の1人、グレッグ・バックレー・ジュニア伍長(Lance Cpl. Greg Buckley Jr.)のおば、マリー・リズ・グロセット(Mary Liz Grosseto)も証言したと、ボウはいいました。アフガン人警察署長のサルワル・ヤン(Sarwar Jan)とつながる十代の少年によって引き起こされました。ほか2人が攻撃で負傷しました。

 ブレズラー少佐は声明で、再び海兵隊員として勤務する機会について「言葉にならないほど嬉しい」といいました。

 「私は海兵隊を愛しており、海兵隊員と任務にすべてを捧げており、再び寄与するのを待ちきれません」と彼はいいました。

 査問会の勧告は検討するために海軍長官へ提出されていると、海兵隊予備役報道官のロジャー・ホーレンベック少佐(Maj. Roger Hollenbeck)はいいました。

 ボウは、彼らが海軍長官が委員会の満場一致の勧告を支持すると予測するので、ブレズラー少佐は即時、部隊に再入隊して、軍務を始めようとするといいました。ブレズラー少佐は彼の軍務の期間を整復するよう管理上の救済も求めると、彼はいいました。

 「1週間の審査の間、委員会の3人の海兵隊高官は極度に熱心でした」とボウはつけ加えました。「海兵隊への彼の過去と潜在的未来の貢献は圧倒的で、委員会は正しい決定に達しました」。


 少し変わった出来事なので取り上げました。軍事法廷ではなく、査問会によって処分が取り消されたという話です。

 多分、最初は処分を受けて除隊となり、民間人となって連邦地裁に処分の取り消しを求めて提訴したのでしょう。その結果、裁判で査問会を受けるべきだと判断され、今回、その結果が出たということです。

 日本で、これほど司法的な動きが行われることはなさそうです。最近の司法は何でもなし崩し的ですし、日本人はこういう司法手続きの流れがあまり得意とは思えません。機密情報を漏らしたのは事実だから、処分は正当だという判断しかしないように思えます。

 仮に、日本に軍事裁判の制度を設けたとして、こういう細かな司法手続きがなされるのかも、私は率直に疑問です。先日、航空自衛隊の格納庫の中を撮影した映像が問題となりました。戦闘機の整備については機密だから、外で撮影している人には自衛隊が注意をするのだそうです。しかし、整備の様子を見たところで、戦闘機の性能が直接わかるわけではありません。

 機密情報の漏洩でも、重要ではない情報が漏れた場合、その人への処罰が軽いもので終わることが、アメリカでは見られます。日本では、機密情報は機密情報としか考えないでしょうね。アメリカに比べると、日本の法律の議論は単純素朴です。細かいことまで考えないように見えることがよくあります。そもそも、そういう実態を防衛関係者は知らないかもしれません。

 


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