ギャラガー裁判の結果を評価する

2019.7.9


 military.comによれば、イラクで負傷した敵の捕虜を殺害した件で無罪になった朝、米海軍シールズの上等兵曹、エディ・ギャラガー(Eddie Gallagher)は「Fox & Friends」でシールズの後継者にアドバイスをしました。「君たちは兄弟の背中を見るためにそこにいる。彼は君たちの背中を見るためにそこにいる……忠実なままでいろ」。

 その兄弟たちは、ギャラガーの小隊の隊員が彼らの上等兵曹が2017年のイラク派遣の間に戦争犯罪を犯したと言ったとき、昨年の間、試されました。彼らの報告書は7月2日に終わった注目された裁判を導きました。

 ギャラガーは殺人、殺人未遂、その他の起訴で無罪となりました。彼は敵の死体と共にポーズをとることに関係した罪で有罪となりました。

 9月11日に逮捕されてから無実を主張していたギャラガーは、降格、2ヶ月間にわたり基本給の3分の2の減給とすでに務めた4ヶ月の拘留の処罰を受け入れました。

 ギャラガーの裁判が公正だったか、軍の司法システムが機能しているかどうかについて語っているところです。

 検察側で証言をしたギャラガーの小隊のある隊員は裁判の後、彼はこの裁判は司法システムの中の欠陥を露呈したと思うと言いました。

 「露呈された亀裂があったと言いたいですが、それが軍隊に特有なのかどうかはわかりません」とシールズ隊員は言いました。「システムは完璧ではありません……我々は起きたことを尊重なければなりません」。

 証言のために受けた脅迫が理由で、彼は匿名で「the San Diego Union」に話しました。

 亀裂の一つは裁判の中で明らかになりました。目撃者の証言の2日目、海軍シールズの1等兵曹、コリー・スコット(Corey Scott)が、ギャラガーが負傷したイスラム国戦闘員の首を刺したあと、スコットは彼の呼吸チューブを巻き付けて戦闘員を窒息させたと証言しました。

 ギャラガーではなく、彼が戦闘員を殺したという彼の証言は法廷を愕然とさせました。

 ギャラガーを見て、スコットは彼が刑務所へ送られるのを見たくないと言いました。

 検察官たちはスコットが嘘をついていると非難しました。それから、彼らは陪審団員に、とにかく、法の下では、戦闘員の死亡の要因となったいかなる行動も、それが致命的な打撃でなくても、殺人罪の有罪判決を正当化するのだから、ギャラガーに有罪判決を下すよう言いました。

 被告弁護人たちは、検察官は正しい質問をせず、目撃者を吟味せず、徹底的な調査をしなかったと言いました。

 「こういうやり方で裁判を始めるべきではありませんでした」と主任被告弁護士のティモシー・パーラトーレ(Timothy Parlatore)はいいました。

 スコットの証言は刑事免責の下で行われましたが、この裁判について語る権限のない当局者によると、海軍はスコットをどちらにせよ偽証で起訴することを検討しているところです。

 検察側の証人が裁判に損害を与えるのは珍しいことだと、専門家は言いました。

 「典型的には、誰かが誰かに刑事免責の付与を与えたとき、彼らはなにを証言しようとしているかを知っているものです」と、海兵隊で20年、軍法務部の法務官として16年の経験を持つ軍法務官のゲーリー・バーセル(Gary Barthel)は言いました。

(海軍)司令部はこの目撃者を起訴する上で問題を持っています。ギャラガーが無罪だとした陪審員団がいます。彼らが目撃者の証言が信頼できると考えたと仮定しなければなりません。もしそうなら、彼は偽証していなかったのです」。

 起訴の中ではその他の誤りがありました。

 裁判開始が予定されていた数日前の5月、被告弁護人たちは海軍犯罪調査部の調査官たちと主任検察官、クリス・ザプラック中佐(Cmdr. Chris Czaplak)が被告弁護人の電子メールを追跡しようとしたことを発見しました。

 彼らは誰がニュースメディアのメンバーへ書類を漏洩させたかを見つけようとしていました。

 裁判官は調査は違法で、ザプラック中佐を検察チームから排除しました。彼は有罪になった場合にギャラガーが直面する処罰の可能性を低くもしました。

 ギャラガーに不利な証言をしたもうひとりのシールズ隊員は、漏洩を見つけようとしたザプラックを非難しないと後に言いました。

 「ザプラックは攻撃的だっただけだ」とシールズ隊員は言いました。「我々の友達に電話をかけて『話した方がいい』とか『君の名前を紙面に載せようとしているところだ』とかいう記者がいる。(ザプラックは)まったく悪くない」。

 ギャラガーの小隊のシールズ隊員も安全上の理由で氏名を差し控えるよう求めました。

 ギャラガーに不利な目撃者数人は、脅されたり、別の影響に直面していると言いました。

 証言したあるシールズ隊員は、彼は殺すという脅しのために火器を隠し持つ許可を受けたと言いました。精鋭部隊のシールズ・チーム・シックスに配属されたもうひとりは、申し出ることは再び派遣されないだろうことを意味するだろうと言いました。

 それにも関わらず、軍法務部の法務官のバーセルは、この裁判やその結果が、将来に戦争犯罪を報告することで隊員に「萎縮効果」を生むとは思わないと言いました。

 「人びとが悪だと考えるものをみるとき、彼らは典型的にはそれを報告するでしょう」と彼は言いました。

 1月の罪状認否以来、ギャラガーの熱心な支持者のダンカン・ハンター下院議員(Rep. Duncan Hunter・共和党・カルフォルニア州選出)は、評決の後、この事件は起訴されるべきではなかったという長い声明を出しました。

 「非常に状況的で制限された物理的証拠で、海軍はギャラガー上等兵曹をイスラム国のテロリスト殺害で起訴するのが適切だと感じました」とハンター上院議員は言いました。「この事件での海軍の行動は恥ずべきで、良好な秩序を害し、我々の戦士の士気に悪影響をもたらします」。

 バーセルは軍司法システムはギャラガーの事件で適切に機能したと言いました。

 「誰かが無罪になっただけでは、司令部が裁判を起こすべきでなかったことを意味しません」と彼は言いました。

 軍司令部は報告を真剣に扱う義務があると、彼は言いました。

 「政府は彼らに知らされた特定の事実を持ち、調査をする義務がありました」とバーセルは言いました。

 「それに基づいて、事件は審査官が逮捕に相当な理由があるかを判断する予審へと進みました。それは手続きの一部です。起訴すべきではなかったという人びとは、軍の司法システムを理解せず、相当の敬意を人びとや手続きに与えていません」。

 訴訟手続きは終わっていません。

 ギャラガーの小隊長、ヤコブ・ポーティア中尉(Lt. Jacob Portier)は、不適切な行為と戦争犯罪容疑を報告しなかったことを含め、ギャラガーの事件につながる多数の犯罪で起訴されています。ギャラガーの裁判の間に証言した多数の証人はポーティア中尉の裁判で証言すると予測されます。

 ポーティア中尉の裁判は9月3日に予定されています。彼は無罪を主張し、すべての起訴内容を否認しました。


 この裁判には注目していましたが、その後、おかしな展開になっているのに、詳細まではチェックしていませんでした。記事を紹介したことはありますが、裁判の経緯はあまり調べていませんでした。この記事で疑問がすべて解けるかと思いましたが、完全には解決しませんでした。

 スコットが本当のことを言っているのなら、彼は偽証ではなく、彼も殺人に問われるような気がします。被害者の死体の検分はやっていないのでしょうか?。やっているなら、首にチューブで絞めた後があるのかやギャラガーが刺した傷と彼のナイフとの形状は調べているはずです。その辺の細かいことは記事には書いてありません。

 私が知りたいのは、ギャラガーがイスラム国戦闘員を刺殺したのか。民間陣を無差別に狙撃したのかです。他の記事を読んでみないと、謎は解けないのかもしれません。

 

 


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