軍隊内の強姦事件で法の不備が明らかに

2019.7.30


 military.comによれば、米国防総省は米最高裁へ、5年の時効の軍隊の強姦事件が、2005年に起きた暴行事件が9年後に裁判にかけられてたのに、誤って適用されたかどうかを検討するよう求めました。

 空軍のミッシェル・ブリッグズ中佐(Lt. Col. Michael Briggs)は、2005年5月のパーティのあと、彼の飛行隊の下士卒の隊員を彼女の部屋で強姦して、2014年に有罪判決を受けました。空軍兵はその時は事件を報告しませんでしたが、2013年7月、彼女は2等軍曹になり、彼は中佐に昇進し、彼女は暴行について話し合い、彼の対応を記録するために彼を呼びました。法廷の書面によれば、記録は「いつも君を強姦して申し訳ないと思う」という言葉をを含みました。

 2月、軍事上訴裁判所は、統一軍規法典の下の強姦のすべての時効を排除する2006年の法律は遡及力はなく、彼の事件に適用すべきではないとして、ブリッグズ中佐の有罪判決を覆しました。

 統一軍規法典の下で、1986年より前の性暴力事件は5年間の時効です。しかし、議会が時効がない犯罪の一覧へ強姦を追加した1986年から2006年の間の事件は、法律はさらに不明瞭です。法律は、軍隊では死刑を含む、死刑に処せられるすべての犯罪は、常に時効の制限なしに裁判にかけ、処罰されることがあると述べます。

 しかし、強姦が死刑に処せ得ることの合憲性に関する疑問は残っていて、ケース・バイ・ケースで対処されてきました。

 先週、上訴裁判所に提出された陳述書の中で政府は、1986年から2006年まで、軍隊では強姦は死刑に処せ得るすべての犯罪は時効がないのだから、ブリッグズ中佐の2005年の強姦犯罪は時効にならないと述べます。

 この事件は合衆国対マンガス(Mangahas)の過去の事件に似ています。もう一人の空軍中佐は1997年、彼が沿岸警備隊アカデミーで候補生だったときに起きた強姦容疑で軍法裁判にかけられました。

 被害者はこの時に事件を報告しましたが、彼女は起訴を求めませんでした。しかし、2014年、彼女は事件を復員軍人援護局に報告し、調査が開始され、起訴が行われました。しかし、審議の中で、軍事上訴裁判所は手続きの停止を命じ、この事件の時効を5年間と裁定しました。

 軍事上訴裁判所の決定は現在、国防総省が2006年より前の軍隊内の性暴力事件すべてを起訴することを禁じるものとして広く評価されます。

 「軍事上訴裁判所の欠陥がある構造をそのままにするのを認めることは、軍隊内の性暴力を根絶する一致団結した努力を打ち砕き、軍司法システムの中の信頼を蝕みます」とノエル・フランシスコ法務次官(Solicitor General Noel Francisco)は陳述書の中でいいました。

 「性暴力は任務に集中した軍隊を作る上で最も破壊的な要素の一つです」とフランシスコは元国防長官、ジム・マティス(James Mattis)を引用して書きました。「被害者への破滅的な影響に加え、一人の軍の隊員からもう一人への性暴力は士気、秩序、訓練と部隊の団結と軍の隊員と部隊の戦闘の有効性に悪影響を与えます」。

 昨年、マンガスの判決は、陸軍が1983年から1989年の間に少女に性暴力を行ったとして2015年に起訴された退役陸軍少将、ジェームズ・グラジオプレン(Army Maj. Gen. James Grazioplene)に対する裁判を取り下げるのにつながりました。

 軍の裁判官は退役将官に対する起訴を取り下げる時間的制限に言及しました。将官はいま、バージニア州で民事裁判に起訴されています。

 マンガスは2000年に起きた強姦の2017年の有罪判決をくつがえすのにも用いられました。合衆国対コリンズの裁判で、米空軍刑事上訴裁判所は、シェパード空軍基地(Sheppard Air Force Base)で教官だったときに学生を強姦したとして起訴されたリチャード・コリンズ空軍曹長(Master Sgt. Richard Collins)の有罪判決を却下しました。

 最高裁はブリッグズ中佐の弁護士に、8月21日までに政府の陳述書へ回答書を提出するように命じました。


 何度も起きている事件のようですが、私は知りませんでした。時間がないのでコメントは書きませんが、これは興味深い案件なので、調べてみたいと思っています。

 


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