イランは日本タンカーを攻撃したか?

2019.6.14


 BBCによれば、米当局は取り除かれる前の不発の機雷を示すような日本のタンカーの写真も公表しました。

 ノルウェーのタンカーも損傷しました。

 アメリカは機雷攻撃の背後にいると非難しました。イランは嫌疑を断固として拒絶するといいました。

 アメリカは映像がイランの革命防衛隊が、爆発の8時間以上後にコクカ・カレイジャス(the Kokuka Courageous)の側面から爆発しなかったリムペットマイン(吸着型機雷)を取り外すのを示しました。


 記事から爆発物に関する部分を紹介しました。記事には映像もついています。

 この攻撃で使われた武器は報道により異なります。砲、魚雷、機雷などがあげられています。今日の午後、タンカーの乗員が飛来物を見たとの報道がありました。それが本当だと、砲弾は目に見えないため、ミサイル攻撃だったことになります。

 アメリカはこの記事の通りにリムペットマインだとみていて、映像があるのなら、これが本当と考えられます。乗員が見たのは、なにか別のものかもしれません。

 砲弾が船体に突き刺さったまま爆発していないなら、引っ張ると爆発する危険があり、爆発処理するしかなさそうです。ミサイルでも同じです。遠隔操作で起爆するリムペットマインは、液体窒素で凍らせて電子部品を動かなくすれば安全に取り外せます。

 アメリカはイランが犯人と見ていますが、映像はリムペットマインを取り除く革命防衛隊を示すだけで、イランの関与を証明する訳ではありません。

 これはイラン軍にとっては、爆発物を除去して、危険を排除するための当然の対応です。事件から8時間以上あとだったのは、不発弾があるのを見つけて爆発物処理部隊を出動させたので、それくらい時間が必要だったともいえます。最初から仕組んでいたら、もっと早く取り外せたともいえます。

 リムペットマインだったとすると、タンカーが航行中に密かに爆弾を船体に貼り付けるのは極めて困難です。タンカーのレーダーや目視で見つかる可能性があります。併走しながら爆弾を貼り付けるのも簡単ではありません。

 リムペットマインを仕掛けるのに適しているのは、タンカーが停泊している港です。夜間に近づいて取り付けるのなら難しくありません。船は右舷を岸につけて停泊します。写真からタンカーは左舷を攻撃されていて、停泊中に取り付けられたとする仮定と矛盾しません。

 民間船舶の位置はインターネットで確認できます。船がイランの近くに来たのを確認して起爆します。衛星電話を起爆装置にすれば、あとは電話をかけるだけです。呼び出し音やバイブの回路に流れる電気で雷管を爆発させ、爆薬を起爆します。

 今回の攻撃は過去のイランの行動パターンと合致しないように思っています。

 船の船籍を攻撃現場で確認するのは困難です。船に掲揚された旗を見ても、どこの国が運用するかは確定できません。船名を確認すれば調べられます。これは港で爆弾を取り付けた場合は時間があるから可能でしょう。

 とりあえず、これまでに入手できた情報に基づいて分析しました。安倍政権がアメリカに同調する恐れがあり、いまは冷静に情報収集に務めたいと考えます。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.