米陸軍CH-47調達終了も存続の見込み

2019.5.2


 military.comによれば、米陸軍が未来の攻撃ヘリコプターへの努力に関して約40億ドルを約束した1週間後、マーク・エスパー陸軍長官(Army Secretary Mark Esper)は、彼は航空機はCH-47「チヌーク」の置換物となる陸軍の次なる重量運搬ヘリコプターの計画を立てはじめることを望むといいました。

 近い内に、陸軍の未来垂直上昇機計画は、未来長距離強襲機(FLRAA)に引き続いて未来攻撃偵察機(FARA)を造り、2028年までに両方の次世代ヘリコプターを配備することを最優先とします。

 軍は最近、未来攻撃偵察機の試作品を造るために5つの国防企業へ39億ドルに相当する契約を与えました。

 通常戦力のためにCH-47を購入するのを止める2020年度の予算案における陸軍の決定は人を驚かせましたが、エスパー長官は軍はこれ以上のCH-47を買う必要はないといいます。

 「CH-47は非常によい航空機です」と彼は火曜日にブルッキングズ研究所でいい、もちの良い乗り物は別の20〜30年間、陸軍の役に立ち続けるでしょう」とつけ加えました。

 「私がたったいま私の航空機のリストの中に持っていないものは、未来攻撃偵察任務のために造られた航空機です」とエスパーはつけ加えました。

 しかし、陸軍はこの分野を推し進めています。軍は4月23日に下記のFARA契約を与えました。

  • シコルスキー航空(Sikorsky Aircraft Company) 938,400,000ドル
  • ベル・ヘリコプター・テクストロン社(Bell Helicopter Textron Inc) 790,830,873ドル
  • ボーイング社(Boeing Company) 772,274,333ドル
  • カレム航空(Karem Aricraft) 738,440,923ドル
  • AVX航空(AVX Aircraft Company) 732,456,303ドル

 陸軍は試作機の最初の飛行を2023年度に行うことを希望します。もともとの行動要請書によれば、その同じ年に、軍は次の完全なシステム統合、資格取得、製造段階に入る会社を選択するかもしれません。

 FARAは防空システムを突破し、敵の後方深くへ入り、無人機を配置したり、砲撃を要請したり、空域を制圧するために他の航空機へ指示をだすような多くのことをなすよう設計されるでしょう」とエスパー長官は言いました。

 彼は陸軍はUH-60「ブラックホーク」に置き換わる未来長距離強襲機も必要としているとつけ加えました。

 しかしエスパー長官は、彼は航空機業界に陸軍の次期未来重垂直上昇ヘリコプターの設計段階をはじめるのに2030年まで待つことを望んではいないとも言いました。


 文末のエスパー長官のインタビューは省略しました。

 この記事を読んで、日本のある動きについて疑問を感じた人はいないでしょうか。

 オスプレイの導入が決まった時、政界と官界から「老朽化したCH-47と置き換えるため」という理由づけが盛んに流されました。マスコミもそれを受け売りにして、「老朽化したCH-47」というフレーズが記事の中に繰り返し現れたのです。

 しかし、いまになっても、米陸軍はCH-47が老朽化などしていないことが、この記事から分かります。エスパー長官はCH-47はこの先20〜30年間は使えると述べています。

 国家予算があまっているような国ならば、まだ使える装備品を入れ替える余裕があるでしょう。しかし、財政に赤信号がついている日本で、そのような贅沢は許されないはずです。

 CH-47は定評のある機体であり、多くの用途にまだまだ使えます。それを投げ捨てて、有効性が疑問の機体に乗り換えようとういうのが現政権のやり方です。

 アメリカから大量の武器を買わないと、アメリカからの圧力が高まり、政権が維持できない。そのために余計な買い物をしようというのが日本政府の考えです。

 そのためには適当な理由をでっちあげてマスコミを通じて流し、世論を誘導する。これが現在の日本で当たり前に行われていることなのです。防衛分野では、この種の工作は特によく行われています。

 


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