国境へさらなる軍人の増員を求めるトランプ

2019.4.13


 military.comによれば、米国防総省は金曜日、ドナルド・トランプ大統領が今週早くに示した提案、現在米・メキシコ国境に派遣されている軍隊の隊員が移民を拘束する方向へ向けてもっと武力を示すべきかどうかについて述べませんでした。

 大統領の気持ちについて国防総省報道官のチャーリー・サマーズ(Charlie Summers)は会見中に記者に「ホワイトハウスと話すようお勧めします」と言いました。

 この問題についてコメントを求められたとき、サマーズは「我々は最高指揮官による指示に賛成です。そしてそれは単純です。それが我々の役目です」とつけ加えました。

 トランプは水曜日、彼は彼の政権のメンバーが状況は移民の新しい流入で悪化しているという南部の国境にもっと兵士を置くだろうと言いました。彼は民主党員たちは軍隊が「ちょっと荒っぽくなる」ことを禁止する「恐ろしい法律」を変えるのを邪魔する立場になっていると示唆しました。

 「私はもっと軍隊を動員しなければならないところなんだ」と大統領は言いました。「忘れないでくれ。我軍は軍隊が振る舞うように動けないんだ。彼らがちょっと荒っぽくなると、誰もがイカれちゃうから」。

 トランプがどの法律に言及していたのかや、自国内で活動する間に米兵がどのように行動するのかを見たいのかは直ちに分かりません。現在、民警団法(the Posse Comitatus Act)として知られる連邦法は、軍隊の隊員が民間人から直接の接触を持つのを禁じ、国内法の執行当局として活動するのを阻止する規定を持ちます。

 それを変えるには議会で制定した法律が必要です。

 サマーズは国境に残る軍隊が、国境を超えてくる移民を拘束して、収容する主役である国土安全保障省の支援のみをするままだと強調しました。

 一方、国防総省は、必要なら子どもたちを収容する潜在的な軍隊の基地の新しいリストを確認したといいますが、国防当局者は中央アメリカの移民を収容をはじめるための、新しい要請をまだ国土安全保障省から受け取っていないとMilitary.comにいいました。

 現在、移民の子供や家族は国防総省の基地で暮らしていないと、当局者は背景について言いました。

 陸軍は最近、57マイル(91.7km)の新しい国境の障害物の建設をはじめるために約10億ドルの契約を与え、国防総省は動員されたらさらに兵士を国境へ送る準備をしているところです。

 国防長官代理のパトリック・シャナハン(Acting Defense Secretary Patrick Shanahan)は今週、「Defense News」に暴力や彼らの政府から逃れる移民の流入を考えると、兵士にさらなる仕事がありそうだと言いました。

 「ボリュームと状況がどう悪化したかに厳密に基づいて、私は我々がより多くを行うと予想します」とシャナハンは言いました。それは一時的なシェルターを設置することを意味すると彼はつけ加え、我々が過去に行ってきたことに矛盾しないその他の要請を取り上げると、彼はインタビューで言いました。

 トランプとシャナハンはどれだけの兵士が国境へ送られる可能性があるかについて言いませんでした。


 トランプが理想とする米・メキシコ国境警備は、米軍が武器を持って、国境を越えようとする移民たちを攻撃することです。

 しかし、こういうやり方は民警団法で明確に禁じられています。米軍は本土防衛の任務も担いますが、米国民は軍隊は海外で戦うものだと考えています。軍隊による警察活動は国民の自由を奪うというのが米国民の一般的な考え方です。映画『マーシャル・ロー』にはそれが明確に描かれています。軍隊による治安維持にあまり反感がない日本とは意識がまったく違います。日本人は自衛隊の治安出動によい顔はしないでしょうが、過去の歴史からすると、必要なら受け入れると考える人が多いはずだと、私は推測します。(これはとても危険なことです)

 州軍を国境に派遣した州の知事たちがホワイトハウスと対立し、州軍の引き揚げにかかっているので、トランプは余計に連邦軍の数を増やしたいのでしょう。

 そこで国防総省は法律と大統領との間で板挟みになります。この件でコメントしたくないのも当然です。 映画『バイス』に描かれたように、大統領には国王に匹敵する権限があると考える保守派がアメリカにいて、ブッシュ政権では拘束したテロリストへCIAが拷問をすることを大統領が承認していました。拷問ができたのなら不法に入国しようとする移民を攻撃することくらいできるはずだと、彼らは考えます。この問題が悪化する可能性がある理由はここにあります。

 


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