ネオ・ナチと判明した海兵隊員が除隊処分

2018.8.3


(ジェフ・ショゴル(Jeff Schogol)によるこの記事は、もとは軍隊と退役軍人の問題専門のニュース・文化のデジタルニュース「Task & Purpose」に出されました)

 military.comによれば、ネオ・ナチグループに所属し、昨年、白人優越論者と共に行進した間に抗議者を襲撃したとされるバシリオス・ピストリス伍長勤務上等兵(Lance Cpl. Vasillios Pistolis)は、海兵隊から追い出されました。

 ピストリスは命令や規則への服従違反と虚偽の公式声明を出したために、簡易軍事法廷で6月19日に有罪判決を受けた後、28日間の拘禁、E-1への降格、月給3分の2の没収を受けました。

 元海兵隊員は彼が営巣から出た7月11日に解雇されたと、海兵隊報道官のブライアン・ブロック少佐(Maj. Brian Block)は言いました。

 「彼はすでに海兵隊員ではありません」とブロックは言いました。彼はプライバシー法の制限のためにピストリスが受けた除隊の種類を言えませんでした。

 ピストリスはノースカルフォルニア州、キャンプ・リジューヌ(Camp Lejeune)の第2海兵補給群第2戦闘補給連隊第8戦闘補給大隊に配属されていました。

 「ProPublica」は5月に、ピストリスはネオ・ナチグループの「Atomwaffen Division」のメンバーで、2017年8月12日にバージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)での「the Unite the Right」集会で行進をしていたと報じました。

 ニュースカメラマンは抗議者を木製の旗竿で打ち据えるピストリスの姿を撮影し、彼はもうひとりの抗議者、エミリー・F・ゴルセンスキ(Emily F. Gorcenski)を襲撃したことについて、ネット上で自慢したとされます。

 「ProPublica」が水曜日にピストリスが解雇されたとツィートしたとき、ゴルセンスキは「さよなら、ナチ」とツィートして応じました。

 海兵隊は、隊が彼らがヘイト・グループのメンバーであったり、関係があったと確認したら、すべての海兵隊員が解雇されることを明らかにします。

 キャンプ・リジューヌの2人の海兵隊員、マイケル・チェズにー3等軍曹(Sgt. Michael Chesny)とジョセフ・マニング2等軍曹(Staff Sgt. Joseph Manning)は2017年5月にノースカルフォルニア州の南部連合支持者派の集会で白人優越論者のバナーを掲げたために逮捕された後で解雇されました。

 元海兵隊徴募官のディロン・ウリッセズ・ホッパー(Dillon Ulysses Hopper)は白人優越論者「Vanguard America」の指導者とされます。

 さらに、追放される前に4ヶ月間だけ陸軍で過ごしたジェームズ・アレックス・フィールド・ジュニア(James Alex Fields Jr.)は、「the Unite the Right」集会の間に抗議者の群れに自分の車を衝突させた、女性1人を殺したために第2級殺人で逮捕・起訴されました。

 「我々はヘイト・グループが関連する事件をより多く見ています」と、元海兵隊大尉で、現在は隊員を代理する民間弁護士、ダニエル・コンウェイ(Daniel Conway)は言いました。

 「私は組織の存在があるとは考えません。しかし、ソーシャルメディアは感受性が強い若者が対立を引き起こす憎しみに満ちたメッセージを提唱する様々なグループと関係するのを許します。一部のグループは退役軍人の組織のベールの陰で活動します」。

 事件の内容に関係なく、ヘイト・グループの軍隊内での活動は「増大している問題」だと、彼は付け加えました。


 こういう記事を読むたびに、我が国の自衛隊の場合はどうなるのだろうと考えてしまいます。

 日本人はあまりこういう問題に対して高い意識を持っていません。

 なにしろ、国会議員に路上でタメ口を叩いても、大した処分にはなりません。米軍では軍法裁判がありえる事態なのにです。

 日本人至上主義の自衛官に対して、自衛隊がどういう処分をするのかは不明ですが、現存の規則を見る限りは大したことになりそうにありません。

 自衛官には「表現の自由」があると叫んだ元空自最高指揮官がいるくらいですから。

 逆に、米軍では一定の政治活動は許可しているのに、自衛隊ではまったく認めないというくらい極端な制限を課しています。これは誤りだと思います。自衛官の表現の自由は制限されても、内心の自由までは制限できません。健全な形での政治活動参加は許可すべきだと考えます。

 しかし、こういう問題は日本社会の中では、まったく盛り上がらないので、改善される見込みはなさそうです。その中で自衛官に不満が溜まっていくのだとすると、それも問題です。

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.