米海兵隊准将が部下虐待で処罰

2018.7.18


 military.comによれば、海兵隊の元監察官がイラク派遣中に側近を個人的な使いに用いたことで譴責を受けました。

 リック・ウリベ准将(Brig. Gen. Rick Uribe)の指揮系統は、国防総省の監察官が一つ星の将官が側近を虐待したという主張を立証した後、適切な管理上の処分を受けたと、太平洋海兵隊部隊の報道官、チャック・リトル(Chuck Little)は言いました。

 「我々は職権乱用の主張すべてを真剣に受け止めます」とリトルは言いました。

 バグダッドの統合合同作戦センターの管理者として務めた間、彼が側近に洗濯物を引き取り、ベッドシーツを取り除き、ジムの装置を予約したり、スナックと食事を提供することを求めたり許可したとき、ウリベ准将は共同倫理規則(the Joint Ethics Regulation)に違反したことが判明しました。

 ウリベ准将は調査の中で、困難な派遣の間に焦点を失ったと書きました。「戦闘地帯の霧の中で、駐屯地でこういう活動に従事するとまったく思わないだろう場所では、それはいくらかは受け入れられたようです」と彼は付け加えました。

 ウリベ准将の処罰は本質的に管理上の処分だったので、それはプライバシー法で守られ、誰が処罰を行ったかを含め、追加の詳細は提供されませんでした。

 ウリベ准将は現在、太平洋海兵隊部隊の下にある第一海兵遠征軍の副指揮官です。デイビッド・バーガー中将(Lt. Gen. David Berger)はその指揮官です。

 
 ウリベ准将は中佐からのコーヒーとチョコレート約100ドル、側近から借りた金と前払いの散髪を含めて部下に返済しました。

 「ウリベ准将は、報告書にあげられた不適切な行動の認識すべての懸念に対処するために自発的な返済をすることで個人的な選択をしました」と第一海兵遠征軍報道官のデイビッド・モーリス中尉(1st Lt. David Morris)は言いました。

 ウリベ准将の行動についての国防総省の調査は、副官で氏名不詳の女性将校を使用人のように使ったという20017年6月の苦情に引き続きました。

 この将官は過去に、2015年9月から2016年5月まで監察官として勤務したとき、海兵隊のためにそうした主張を調査する立場にありました。

 ウリベ准将は報道官を通し、報告書が彼のリーダーシップのスタイルを変えたかどうかを含めて、報告書についてさらに答えることを拒否しました。

 調査の中で、ウリベ准将は実証された主張の一部が正当でないことを見出したと書きましたが、このプロセスから大いに学んだと言いました。「(私は)将来、これらの問題に気を遣うでしょう」と彼は書きました。


 日本では部下が上司の細々とした用事を代行するのは当たり前のように思われています。米海兵隊では個人的なことは個々に行うのが規則のようです。文化の違いという説明で片付けてよい話ではなく、自衛隊もこれくらいの倫理規定を目指すべきでしょう。

 昔は自衛隊も体罰がなかったりしたのですが、最近は明らかに増えていて、そのために処罰を受ける隊員まで出ています。もう旧軍並みに戻ってしまったと考えるしかありません。

 その一方で、熱烈な自衛隊ファンは増えていて、自衛官を神や仏のように考える人たちもいます。災害派遣で粉骨砕身する自衛官に罵声を浴びせる左翼勢力という構図を彼らは信じて疑いません。

 このギャップは本当に不幸なことだと思います。

 それを正すには、自衛隊も共同倫理規定と同等の規則を作り、実践することしかありません。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.