ソマリアで米兵1名が戦死4人が負傷

2018.6.11


 military.comによれば、米特殊作戦の兵士1人が死亡し、米軍隊員4人が金曜日にソマリアで敵の攻撃で負傷したと、米軍は言いました。

 これは10月にニジェールで民兵の待ち伏せで米軍隊員が殺されてから、アフリカ大陸での米軍の戦死に関する最初の公表でした。

 ソマリア、ケニア両軍と一緒の米兵は現地時間午後2時45分頃、ソマリアのジュバランド(Jubaland)で迫撃砲と小火器の攻撃を受けたと、米アフリカ軍は声明で言いました。

 攻撃を受けたとき、合同の同盟軍は首都、モガディシュ(Mogadishu)の南西約217マイル(349km)でアルシャバブ(al-Shabab)に対する作戦を実行中だったと、声明は言いました。作戦はソマリアを拠点とする過激派グループ、アルシャバブを競合地域から追い出すことを狙いとしました。

 隊員4人の3人は治療のために転送され、4番目の隊員は現場で治療を受けたと、ワシントン・ポスト紙は報じました。

 アルシャバブは攻撃の功績を主張したと、情報グループ「the SITE」は金曜日に声明で言いました。

 ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は金曜日夜、ツィッターのメッセージで追悼を伝えました。

 「私の思いと祈りはソマリアで殺された隊員と負傷した彼の仲間の家族と共にあります」とトランプ大統領はツィートしました。「彼らは本当の英雄です」。

 アメリカはアフリカに特殊部隊員約1,000人を持っています。ソマリアでの最後の米兵の殺害は2017年5月モガディシュの西約40マイル(64km)の作戦の間だったと、スターズ・アンド・ストライプス紙は報じました。

 トランプは2017年前半にアルシャバブに対する軍事作戦の拡大を承認し、500人以上の米兵の増員と数十機の無人攻撃機の飛行を行わせました。

 アルカイダとつながるアルシャバブはソマリアでイスラム国を確立しようとしています。組織はここ数年間はモガディシュから追い出されていましたが、南部と中部の農村地帯の支配を続けます。

 昨年、アメリカの無人機の攻撃はソマリア北部のイスラム国グループにつながる戦闘員の少数の存在も狙い始めました。

 ソマリ族当局(Somali)は民間人がソマリ軍と一緒の米軍の合同作戦一つ以上において殺されたと言っています。金曜日早くに、米アフリカ軍は民間人が5月9日の作戦で殺されたとの疑いに対して声明を出し、「徹底的な評価」は疑いが信頼できないことを見出したと言いました。

 トランプ政権がアルカイダとイスラム国のグループにつながるグループの範囲に対する対テロ活動に集中することから、ニジェールでの10月の攻撃はワシントンでアフリカに広がった米軍の駐留について疑問を引き起こしました。

 先月、一部が公表されたニジェールの攻撃についての国防総省の調査は、複数の失敗を見出しましたが、イスラム国につながる戦闘員による待ち伏せを直接に引き起こしたものはないことを見出しました。

 チームが重装甲車と増強された火力を用いる選択肢を与えることを含め、調査はすでにニジェールとアフリカ全域で行われる軍事活動の方法の変更を引き起こしています。


 他の記事によると死亡したのは、26歳のアレクサンダー・W・コンラッド2等軍曹(Staff Sgt. Alexander W. Conrad)です。

 若い隊員が死亡するのを聞くと、いつも嫌な思いを感じるものです。しかし、我々が考えるべきなのは、単に悲しむことではなく、戦いを客観的に観察することです。

 日本ではあまり認識されていませんが、米軍のアフリカ軍はほとんど書類上の存在でしかなかったのが、対テロ戦のために拡大されました。それまで中東を管轄とする中央軍にかわり、アフリカ全域を担当したのです。

 なぜ、アフリカで米軍が作戦を行うかというと、この地域にアルカイダやイスラム国が転戦するかもしれないからです。そのために、小規模な特殊作戦部隊を送り、現地の軍と合同作戦を展開しているのです。

 日本ではこの動きがあまり報じられておらず、南スーダンに自衛隊がいても、誰も対テロ戦に巻き込まれる可能性を考えませんでした。

 アフリカの軍隊は近代化されていないところも多く、そのために武装勢力が入り込むと長期の戦いになりがちです。武装勢力は大衆を味方につけようとしますから、戦いも複雑になりがちです。報道記事から実態を把握するのも困難になります。

 かなり困難な戦いが続くと予想しておかないといけません。

 そして、アメリカから自衛隊のアフリカ派遣を求められたとき、断れないのではないかという危惧もあります。現状では米軍は資源に事欠いていませんから、その可能性はほぼありません。しかし、数十年後に絵図がどう変わっているかは予測ができません。

 

 


 

Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.