イスラム国残党捜索にサイバー攻撃

2018.5.28


 military.comは、イスラム国を打倒するための特別部隊の元指揮官によれば、米軍と同盟軍は昨年、イスラム国指揮官のいくつかの指揮所を特定して破壊するのを助けるために、サイバー攻撃を開始したと報じました。

 「これはモスル(Mosul)の戦いの間とその後とラッカ(Raqqa)の戦いの後で、実際に行われた寸描です」と、2017年に生来の決意作戦で統合合同特別部隊を指揮したスティーブン・タウンゼンド大将(Gen. Stephen Townsend)は言いました。

 現在、陸軍訓練・ドクトリン司令部を指揮するタウンゼンド大将はハワイで「the Association of the United States Army's LANPAC Symposium and Exposition」の聴衆にマルチドメイン作戦を概説しました。

 米軍と同盟軍はイラクのアル・カイム(Al Qa'im)とシリアのラッカの間で、イスラム国指揮官が使っていた司令部の捜索において、ユーフラテス川峡谷中流を探し回っていると、タウンゼンド大将は言いました。

 友軍はこの地域で敵の初期の司令部の位置を見つけましたが、敵の代替の司令部は見つけられませんでした。

 「我々は敵が代替の司令部を持っていることを知っていましたが、それらがどこにあるかは知りません」とタウンゼンド大将は言いました。

 「だから、敵の初期の司令部を攻撃して、それから暫くの間、我々が彼が従属する部隊の1つを望む場所を再び獲得する間、敵を我々にわからない状態にするよりは、我々は敵の司令部を自由にさせないために宇宙とサイバー空間からの能力を使い、彼を移動させて、代替の司令部を明らかにすることを企てました」と彼は説明しました。

 計画は機能したと、タウンゼンド大将は言いました。敵が移動したとき、「我々は一度彼らを特定したら、致命的な射撃で動力学的に代替の司令部を攻撃し、それから初期の司令部へ後戻りして向かいました」。

 調整された攻撃はマルチドメイン作戦、正式にはマルチドメイン戦として知られるものの明確な例で、ロシアと中国のように似ていて同等の敵対者との未来の戦争を生き残るための鍵として米軍指導者たちが強調する戦略です。

 「それはマルチドメイン作戦です。空、陸、海、サイバースペースと宇宙に展開します」とタウンゼンド大将は言いました。

 しかし、それは完了するには長く、約3週間かかりましたと彼は言い、どのような資産が国家レベルと同盟のパートナー国からの承認を得る必要があったかを概説しました。

 「肝心なのは、それがこれをとても洗練されながらも、1週間未満続いた小規模なマルチドメイン作戦を組織するために我々に2週間を使わせたということです。そして、それはいずれのドメインにおいても本当に我々と争わない敵に対抗するものだったのです」とタウンゼンド大将は言いました。

 「一つあるいはすべてのドメインで我々と争える似ている同等の脅威に対する未来の戦争を見てみましょう。我々はよりよく行わなければならないことをしようとしているところです」と彼は言いました。

 「敵の統合された武装軍が我々の同盟に向かって進むとき、我々は洗練されたマルチドメイン作戦を数分や数時間で起こさなければならなくなり、それらの作戦は数日か数週間続くでしょう」とタウンゼンド大将は言いました。


 最近、フェイスブックで佐藤正久参議院議員がサイバー・宇宙のふたつの空間での戦いが重要だと発言していました。

 しかし、それはこれまでの陸海空の他に、サイバー・宇宙での戦いを行うことを意味します。この記事では、細かく細胞化したテロ組織を探すのに使っています。これは日本にはあまり関係のない分野です。しかし、中国やロシアとの戦いに使えるのなら、無関係ではありません。

 ただ、サイバー・宇宙での戦いがどんなものか、私にはよくわかっていません。佐藤議員もどれだけ理解して発言しているのか不明です。

 宇宙空間での戦いは人工衛星による偵察のことをいうのか、弾道ミサイルのようなものを示すのかも分かりません。ミサイルなら費用はとたんに跳ね上がります。

 イスラム国に対するサイバー攻撃も手法は一切触れていません。携帯電話の追跡のことでしょうか?

 「防衛は最大の福祉」という佐藤議員ですから、予算のことなんか考えないのでしょう。しかし、この作戦が本当に日本に必要で、予算も妥当なのかを、まず考えるべきです。米軍のマネをすればなんとかなるという発想は捨てる必要があります。

 


 
Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.