米軍で死亡航空機事故が急増

2018.4.6


 military.comによれば、国防総省は過去3週間で合計14人の隊員を殺した4回の死亡事故のあと、航空隊の派遣が危機であるとみません。

 「確かに、普通ではありませんし、我々のそれへの対応は普通ではありません」「私はいま、それが一種の危機だという用意はありません」と統合参謀長のケネス・マッケンジー海兵中将(Lt. Gen. Kenneth McKenzie)は木曜日、国防総省での会見で言いました。

 マッケンジー中将は固定翼機とローター機の事故の初期分析でパターンやつながりは見出していないと言いました。

 彼はそれぞれの事故で、さらに答えられるべき質問は、事故原因が組織的かどうか、飛行隊全体にわたり我々が行っていることに関連するか、整備に関連するのかが含まれると言いました。

 最新の事故で、空軍のサンダーバードのパイロット、スティーブン・デル・バグノ少佐(Maj. Stephen Del Bagno)は水曜日、ネリス空軍基地(Nellis)の近くのネバダ試験・訓練場で定期的な訓練飛行の間にF-16「ファイルコン」の墜落で死亡しました。

 火曜日のもう一つの定期訓練飛行で、カルフォルニア州、エル・セントロ(El Centro)近くでCH-53E「スーパー・スタリオン」の墜落で海兵隊員4人が死亡しました。ヘリコプターは第3海兵航空隊の一部でした。

 カルフォルニア州の墜落は火曜日に起きた2回目の海兵隊航空隊の事故でした。アフリカの角のジブチで、AV-8B「ハリアー」が離陸直後に墜落しました。

 パイロットは脱出して安定した状態だと海兵隊は報告しました。パイロットと航空機は、強襲揚陸艦「イオウジマ(Iwo Jima)」に乗艦する第162海兵隊中型ティルトローター飛行隊に配属されていました。

 3月15日、HH-60「ペーヴ・ホーク」のイラク西部での墜落で隊員7人が死亡しました。3月14日には、フロリダ州キー・ウエスト(Key West)近くのF/A-18F「スーパー・ホーネット」の墜落で飛行士2人が死亡しました。

 戦闘ではない航空機事故で死んだ隊員の人数は近年で急増しました。国防省によると、2017年は2016年の19人に比べて37人でした。

 最新の事故のつながりはジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)と陸海空軍参謀長からのテンポの高い作戦での軍隊の前方展開は、飛行時間、航空機の整備、米本土の兵士の全般的訓練への資金提供の削減を導いたという多くの警告に続きます。

 マティス長官は議会に責任を課しました。「国家として我々はこれを把握しなければならない」と、彼は1月に明らかにされた国防戦略の中で言いました。

 上院軍事委員会議長、アリゾナ州選出の共和党議員、ジョン・マケイン上院議員(Sen. John McCain)はより多くの隊員がいまや戦場よりも訓練で多く死んでいると、しばしば述べました。

 ワシントン・ポスト紙への9月の論説の中で、下院軍事委員会議長のマック・スローンベリー下院議員(Rep. Mac Thornberry)は「総計185人の隊員が過去3年間に戦闘ではない事故で命を落としました。戦闘で死んだだおよそ44人の4倍以上です」と書きました。


 最近、連日、米軍の航空機が墜落したという話を聞いていましたが、それらをまとめた記事が出ました。

 航空機事故に関しては「Naval Safety Center」に情報があります。2002年から2017年までの海軍と海兵隊の事故率の一覧表もあります(一覧表はこちら)。圧倒的に海兵隊の事故率が高く、最近増えていることがわかります。

 日本国内で米軍がなにか事故を起こすと、驚きの声が聞かれますが、このような状況が普通です。それでも米軍は平静を保とうとします。もっと大きな戦争をする組織なのですから、これくらいでは驚いてはいられないからです。

 国内に米軍を置く以上、こうした実態を忘れるべきではありません。また、こんな巨大な組織の真似をしようなどと、小国の日本が思うべきではないことも明らかです。

 

 

 

 


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