米軍はイスラム国殲滅までシリアに留まる

2018.4.5


 military.comによれば、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は暫定的に、イスラム国の最後の残兵を殲滅したら、シリアの2,000人と見積もられる米軍を撤退させる決定をしたと、ホワイトハウスは水曜日に言いました。

 ホワイトハウスの声明はジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)が反対した撤退のスケジュールを提示しませんでしたが、「我々は将来の計画に関して、同盟者と友人と協議を続けます」と言いました。

 「シリアでイスラム国を根絶する軍事任務は、イスラム国がほとんど完全に破壊されて、急速な終わりに来ています」と声明は言い、アメリカが率いる同盟国は我軍がすでに殲滅していないシリアでのイスラム国の小さな存在を殲滅することに専念するままです」と付け加えました。

 しかし、イスラム国を滅ぼす任務が完了したら、アメリカは撤退に集中できると声明は言いました。

 米軍がない場合は「我々はこの地域とその背後の国々が、さらに国連を加え、イスラム国が再び現れないことを確実にするために活動すると予測します」と声明は続けました。

 ホワイトハウスは、ダン・コーツ国家情報長官(Director of National Intelligence Dan Coats)が水曜日の朝に、トランプ大統領がマティスが撤退計画を始めるよう命令を出すかどうかについて決定に至ったと述べたあとで、声明を出しました。

 国防担当記者との朝食会のあと、コーツ長官は決断が何であるかは言いませんでしたが、火曜日のホワイトハウスでのトランプと国家安全保障チームとの間の徹底した議論の後で妥結したと言いました。

 米軍は復旧活動と難民の帰還のための安全を提供するために残存する必要があると主張したマティス長官は、可能性がある撤退に関する議論に参加したと、国防総省当局は言いました。

 イスラム国打倒後の米軍撤退は、アメリカが支援するシリア民主軍(SDF)を不確かな運命に置き去りにします。

 米軍の空軍力と砲兵の支援で、大半がクルド人のSDFはシリアのほとんどの拠点から、昨年は長い包囲の後でイスラム国の自称首都であるラッカ(Raqqa)から追い出しました。

 しかし、SDFを支配する部隊は、トルコがテロ組織に指定したクルド人民兵、人民防護隊(YPG)です。

 1月に、トルコ軍と自由シリア軍の代理組織はYPGに対して国境地帯から「オリーブの枝作戦」を開始しました。

 トルコの攻勢は現在、米軍が地元のマンビジ軍評議会(Manbij)を支援するために軍事プレゼンスを維持するマンビジに集中しています。

 先週、特殊作戦のジョナサン・ダンバー曹長(Master Sgt. Jonathan Dunbar)とイギリス軍のマット・トンロー軍曹(Sgt. Jonathan Dunbar)が、伝えられるところではイスラム国工作員を拘束する任務の間にマンビジで即製爆弾で殺されました。

 水曜日、ホワイトハウスが撤退を考えたとき、ロシアのウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)、イランのハッサン・ローハーニ大統領(President Hassan Rouhani)がアンカラで次のステップを調整するために会合を開きました。

 共同声明で、3人の大統領はシリアのバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)の政権を弱体化させる努力に反対だと言いました。彼の追放はかつてアメリカの政策の主要目標でした。

 3人の大統領は、シリアの主権と領土の保全を蝕むことを狙う分離主義者のアジェンダに反対すると言い、アサドに反対するアメリカに言及した可能性があります。


 記事の後半はトランプの撤退への要請と政府機関の見解で、前回紹介した内容と変わらないので省略しました。

 トランプ大統領はどうやら周りに説得されて、即時、撤退を思いとどまったようです。

 しかし、安心はできません。この我慢がいつまで続くのかは保証がありません。トランプは集中力がなくて、頻繁に考えを変えるのです。この話は近い将来、また蒸し返されて、議論になるはずです。そして、そのときは側近たちも反対しきれなくなるでしょう。

 現場はいまシリアから撤退したら、ロシアやシリア政府の思い通りになってしまうと心配しています。イスラム国は勢力を削がれて、大きな問題ではなくなりました。本当はアサド大統領やプーチン大統領が心配なのです。そこにトルコ政府もからんでいます。微妙な政治バランスが働いているのですが、トランプはそういうことには関心がなく、検討する能力も持ちません。彼はバラク・オバマではありません。

 側近たちはトランプをどこまで騙して、この地域が安定するまで米軍を駐留させるかに心を砕くことになります。

 次にトランプが撤退を言い出したときは、今回のような結論はないかも知れません。

 米軍上層部はすでに最高指揮官のトランプに呆れ顔でしょう。軍が議会に働きかけ、トランプの排除に動くことがアメリカを救う道のように思えます。

 

 

 


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