米下院が陸軍に市街戦訓練の充実を要求

2018.4.26


 military.comによれば、下院軍事委員会のメンバーは今日、米陸軍の市街戦訓練は将来直面する人口が密集した百万都市の戦場向けて兵士を準備するのに十分でないと言いました。

 委員会の新設された「脅威と能力小委員会」は今日、提案された2019会計年度の国防権限法のマークアップを公表しました。それは陸軍の市街戦訓練についての部分を含みました。

 その中で、議員たちは市街戦訓練の強化と、この目的のために特化されたもう一つの訓練センター建設の実用性について陸軍長官からの説明を求めました。

 最近の傾向は世界的な暴力の未来は市街地にあることを示し、次の戦争は人口が密集した街で戦われそうだと、書類は述べました。

 小委員会の議員たちは、陸軍が市街戦訓練を十分に多くしておらず、この種の戦闘を反映する訓練センター建設へ向けてより多くの資金を見積もることを検討する必要があると合意しました。

 「この委員会は、陸軍が現実世界の市街地作戦環境の規模と密度を反映した現実的な訓練場を持っていないことに特に関心を持ちます」と書面は記しました。

 過去2年間の間、陸軍高官は百万都市で戦うための準備をしていることの重要性を強調してきました。

 世紀の半ばまでに、一千万人以上の人口を持つ大都市エリアが少なくとも50ヶ所あるだろうと、陸軍参謀長、マーク・ミレー大将(Gen. Mark Milley)は2017年2月に言いました。

 現在、これら巨大な百万都市は約1ダースあるだけだと、彼は言いました。

 この新しい戦場を準備するために、陸軍指揮官たちは、部隊がなだらかな起伏がある森林と砂漠の環境で戦うために設計された現行の戦車と装甲車のプラットフォームから離れて移動しなければならないと主張します。

 新しい現代化の努力の一環として、陸軍の次世代戦闘車両は都市の地形で機動できなければならないと陸軍当局は言いました。

 小委員会の議員たちは「陸軍は市街戦を準備するために、戦うための基本及び上級技術に焦点をおいた市街戦訓練センターの建設を調査するためにもっと積極的にならなければならないと、マークアップは述べました。

 「この訓練は垂直で、地下がある、密集した都市の地形、イネーブラの統合と各機関協力の包含と融合に関連した課題を解決する必要があります」とマークアップは続けます。

 提案されたマークアップの下で、小委員会は陸軍長官に市街戦訓練の陸軍の計画について、2019年2月1日までに下院委員会に説明するよう指示します。

 書面によれば、説明は計画の外観と市街戦訓練計画の統合の予測する費用を含めなければなりません。

 議員は市街戦訓練センター建設に関する事前調査も求めると、マークアップは述べます。

 小委員会のマークアップは、軍事予算を含む2019年の国防権限法を確定させる長いプロセスの一環です。

 最後に、予算は下院で完全な委員会のマークアップを完了しなければならず、それから大統領が署名する前に上院のバージョンと一致されなければなりません。


 米軍はこうして次々と新しい課題を克服していきます。反面、陸上自衛隊の訓練はどうなっているのでしょうか?。夜戦型の戦闘訓練が中心で、市街地での訓練はしていないように見えます。国内で侵略軍と戦う陸自は、当然、市街地でも戦います。それを想定した訓練はしているのでしょうか。そういう訓練施設がないので無理でしょう。

 米軍は対テロ戦のために、イスラム世界での任務のための訓練施設を造りました。現地そっくりの市街地を造り、イスラム教の人たちが市民を演じ、彼らが抗議する中で隊員がどう行動すべきかを学ばせるような訓練をしてきました。

 自衛隊は南スーダンでの「駆けつけ警護(この言葉は使いたくないけど)」のために、新しい訓練を計画した程度です。

 市街地での戦闘は発生する可能性は高くはありません。いまはむしろ、ニジェールのようなアフリカの地形での戦闘の方が可能性が高そうです。

 米議会は軍隊の予算も審議しますが、このように詳細な注文を軍に与えます。日本ではこういう議論はほとんどありません。その一方で、防衛省は隠蔽体質を強め、自衛隊はより分かりにくい組織になりつつあります。

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.