F-35初期ロットの利用可能率は半分程度

2018.3.6


 military.comによれば、海軍の老朽化したF/A-18「ホーネット」の3分の2がフライトライン上で動かなかったというニュースは昨年、ヘッドラインを照らしました。しかし、国防省の真新しい第5世代の戦闘機計画も輝かしい新型航空機を飛行可能にするのを確実にするために苦労しています。

 これまでにアメリカと国際的パートナーが購入した稼働中の280機のF-35は、現在飛べるのは51パーセント足らずだと、F-35統合計画部長のマット・ウインター中将(Vice Adm. Mat Winter)は水曜日に円卓会議のイベントで記者たちに言いました。

 ウィンター中将は初期ロットで購入した航空機の利用可能率は最低だと付け加えました。それは後の生産ロットで対処された多数のハードウェアとソフトウェアの問題に悩まされました。第2次から第4次の低率初期生産は40から50%の利用可能率だとウィンター中将は言いました。未だ生産ライン上から吐き出されている最近の第9次と第10次の低率初期生産ロットは最高の利用可能率で、70から75%の間だと、彼は言いました。

 「何かを買う余裕があっても、それを所有して運用する余裕がないなら、それは駐車場に置いておかなければなりません。それから、それは本当にまずいことをします」と、ウィンター中将は言いました。

 ウィンター中将は、問題の一部は、バクが多い自動器材情報システム(ALIS)だと言いました。部品の不調や故障を自己診断できるように設計されているこのソフトウェアは、しばしば間違った陽性サインを生成し、整備士に正常な部品に問題があると言います。

 「彼らはそれを取り外しますが、それは不良品ではないのですが、(彼らは)それが分かりません。(それから彼らは)それをサプライチェーンに置きます」とウィンター中将は言いました。「(それから彼らは)それが不良品てはないことを発見し、送り返します」。

 もちろん、そのすべてはフライトラインや格納庫でピカピカに光る第5世代航空機を結果として部隊に使えなくします。

 ウィンター中将は、グッドニュースは次期バージョンのALIS3.0はこれらの誤った陽性サインの多くを取り除くということだと言いました。さらに、当局者たちは同時に整備のパイプラインを強化しつつ、初期世代の航空機を全般的により信頼できるようにするために活動していますと、彼は言いました。

 「飛行隊を維持するには、適切なスペアパーツ、訓練された整備隊員、整備をすることができるシステムとルーツを維持するのが必要です」とウィンター中将は言いました。「同様に、スペアのための新しいパーツと生産のための新しいパーツを生み出すだけでなく、我々は強力な修理が行えるサプライチェーンとサプライ基地を必要とします」。

 計画は作業をするために産業ベースに依存しなければならないことなく、航空機を効果的で低い費用で修理するためにF-35の組織的な政府の修理拠点を設けています。これまでに航空機の68の異なるサブシステムが政府が組織的に修理できるアイテムとして特定されています。

 「タイヤとホイール、熱管理システム、アビオニクス……キャノピーといったものです」と彼は言いました。

 会計年度を通じて、この作業をするために追加の修理拠点が稼働すると、ウィンター中将は言いました。

 一方で、アメリカの航空機ができるだけ早くに飛行の有効性を復帰するために、彼らがサプライチェーンに必要とするものを持てるように、計画はスペアパーツの生産量を増やすために作業しているところですと、彼は言いました。

また、会計年度2018年と2019年に進行中なのは、LRIP2から8の約100機の航空機の最初の一団を、信頼性のためにハードウェアを修正し、最新の3Fブロック・ソフトウェアと合致するように一部のソフトウェアを更新して、改善する努力です。これらの改善は利用可能率を向上させ、整備条件を低下させると期待されます。

 「これらの機体がこの構成にあるならば、ALISは誤った陽性サインを取り除き、スペアパーツは彼らが必要とするランプ上にあり、修理される必要があるパーツを返却する整備能力は増加します。利用可能率は上がり、我々は経費を削減するでしょう」とウィンター中将は言いました。

 1億ドルの統合打撃戦闘機の気まぐれな経費は生産ロットごとに着実に安くなっていますが、これらの経費節減と効率を上げる努力が実施されることが重要だとウィンター中将は言いました。事実、F-35のために費やされる軍隊の能力はそれに依存していると、彼は言いました。

 「今日、我々が体験している経費率は、将来においてそれが同じ経費率ならば、飛行隊は280機から2021年末までに我々が手にする800余機へ増加するため、軍の予算はそれを維持できないでしょうから、我々は負担し切れないでしょう」とウィンター中将は言いました。「従って、我々は私が話したこれらの手段すべてをとっています。我々は彼らが持続可能性と生産能力の経路について情報に基づいた決定を下せるように、そのデータを評価して、軍隊へ持って行くところです」。


 少し前の記事です。早く紹介したかったのですが、都合で今日になりました。

 この記事を読むと、日本が導入するF-35がどのロットのなのかが気になります。

 航空自衛隊用の初号機が完成したのは2016年9月23日とのことです。この頃には第10次低率初期生産だったはずですから、ウィンター中将がいう70〜75%の利用可能率ということになりそうです。少しホッとする話です。しかし、航空機の製造には時間がかかるので、その前のロットかもしれません。

 こういうハードウェアはあとで大掛かりな改修が必要になることもあります。

 そのため、できるだけ安いもので、効果が高いものを買う必要があります。そうしないと、他の装備を買えなくなるからです。

 どうもその辺の感覚は日本人はないらしく、兵器は高いほど有効だと考える人がいます。私はあるネットワーカーから「高い兵器の方がいいに決まっている。素人はこれだから困る」といわれたことがあります。

 ネトウヨのレベルならそれでもよいのですが、政府レベルで日本人は高額兵器信仰に陥っています。目的に合致しない高額の兵器を買いたがり、それが国家予算を圧迫して、他の行政サービスが疎かになるとは考えないようです。

 こういう戦略的無能さは、防衛力をより低くしてしまうことに気がつくべきです。

 


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