シリアで米軍が政府派部隊へ自衛攻撃

2018.2.9


 military.comによれば、水曜日に約500人の攻撃者が米軍当局が、デリゾール州(Deir el-Zour)で米軍顧問が同行するシリアの反政府軍に対する調整された攻撃とみえると述べたものを開始したあとで、米軍はシリア政府が支援する兵士に対する空爆をはじめました。

 当局者は攻撃は、政府派部隊が大砲と戦車砲をアメリカが支援するシリア民主軍に対して発射したあとの自衛であったと言いました。

 約100人の攻撃者が死んだと、当局者は言いました。

 それはシリアのバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar Assad)の政権を支援する軍隊に対する稀な攻撃でした。

 当局者は政府派の部隊は大砲、戦車、多連装ロケットシステムと迫撃砲で支援された大きな編隊で、20〜30発の大砲の砲弾と戦車弾がシリア民主軍司令部の500メートル以内に着弾したと言いました。

 数人の米当局者は、政府派部隊の攻撃でアメリカ人は負傷したり死んだりしなかったものの、シリア民主軍の隊員1人が負傷したと言いました。

 すべての当局者は攻撃の詳細を話すために匿名を希望しました。

 攻撃に応えて、同盟軍に支援されるシリア民主軍は政府派部隊を空爆と砲撃のコンビネーションで狙ったと当局者は言いました。

 引き返して、西へ戻った攻撃者の車両と人員は誰も狙わなかったと軍当局者は言いました。

 同盟軍の支援で支えられるシリア民主軍はユーフラテス川東岸でイスラム国民兵と戦っています。

 シリア政府軍はデリゾール市の周辺、川の向こう側で活動的です。

 軍当局者は、同盟軍は先週、政府派部隊のゆっくりとした増強を観察していて、ロシア当局にクシャム(Khusham)にシリア民主軍がいると警告したと言いました。

 同盟軍当局はロシアのカウンターパートと、攻撃の最中と後に定期的な連絡をとったと当局者は言い、ロシア当局は同盟軍当局者に周辺で同盟軍を攻撃しないと保証しました。

 当局者は、政府派軍隊はシリア民主軍がイスラム国戦闘員から昨年9月に、クシャムの油田を含めて、解放した土地を取り戻そうとしたようにみえると言いました。


 たしかに珍しいことですが、いつ起きてもおかしくないことです。

 こんな風に軍事顧問を出す場合でも、米軍は彼らを支援する戦闘部隊を共に派遣します。その結果、軍隊の海外派遣は規模が膨らみます。そういう理屈が日本では通りません。

 それは国内においても言えて、尖閣諸島に自衛隊を常駐させろという意見が出たりします。しかし、直ちに支援できない場所には部隊を出すべきではないのです。

 今回の攻撃は介入を深めるための口実作りではなく、相手にこれ以上攻撃するなと分からせるための予防的なものです。その意図も勘違いしてはなりません。

 

 


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