イラク駐留米軍が撤退を始める

2018.2.7


 military.comによれば、昨年のバグダッドのイスラム国に対する勝利宣言に引き続いて、米兵はイラクからの撤退を開始しました。

 バグダッドで、イラク政府の報道官は月曜日に、撤退が始まったことを認め、彼はそれがまだ初期段階にあり、米軍の完全な撤退の始まりを示さないと強調しました。

 数十人の米兵はイラクからアフガニスタンへ、先週毎日のフライトで、武器と装備品とともに運ばれたと契約業者は言いました。

 AP通信の記者はイラク西部のアル・アサド基地(Al-Asad)で、契約業者の説明を反映し、兵士の移動を目撃しました。

 契約業者は規則に従い、匿名で話し、撤退の正確な規模を明らかにするのを拒否しました。

 「イラクでの継続的な駐留は状況を基準にして、必要性とイラク政府との調整に比例するでしょう」と同盟軍の報道官、ライアン・ディロン大佐(Col. Ryan Dillon)はAP通信にコメントを求められて言いました。

 政府の報道官、サード・アル・ハディシ(Saad al-Hadithi)は「ダーイシュに対する戦いは終わったので、アメリカの駐留は減らされるでしょう」と言いました。

 アル・ハディシはイスラム国に対する戦争が3年前にはじまって初めて、AP通信がアメリカの撤退を報じた数時間後に話しました。

 ハイダル・アル・アバディ首相(Prime Minister Haider al-Abadi)に近いあるイラク高官は、アメリカと定めた最初の協定に従い、いま米兵全体の60%が撤退するだろうと言いました。

 計画はイラク軍の訓練を続けるために約4,000人の兵士の部隊を残します。

 当局者はメディアに話す権限を与えられなかったので匿名を条件に話しました。

 11月に発表された国防総省の報告書は、9月下旬現在、8,892人の米兵がイラクにありました。

 アメリカは最初の空爆を2014年8月に開始しました。

 当時、軍事介入は限定的だと説明されましたが、イラク軍は過激派を押し返すのに苦労したので、アメリカが率いる同盟国の同国への足跡は着実に増しました。

 「我々は任務変更をして、これから来月は異なる作戦戦域を支援するでしょう」と米陸軍のウィリアム・ジョン・レイモンド中尉(1st Lt. William John Raymond)はアル・アサドでAP通信に言いました。

 彼は、彼と彼の部隊の少数の兵士はイラクを発つ前に必要とされる装備品の在庫チェックを行ったと言いました。

 情報がまだ公表されていないため、規則に従って、レイモンドは彼の部隊がどこへ派遣されるのかを特定することを拒否しました。

 米軍の撤退はイラクの国政選挙のちょうど3ヶ月前に来ます。イラクで不明確な米兵の駐留は対立を生じる問題のままです。


 記事は前半だけを紹介しました。

 必要がなくなった兵士をあえて駐留させる必要はなく、撤退が始まったのは自然な話です。

 気になるのは、訓練を担当する部署は残るので、イラク軍が急に質が落ちる恐れはないものの、そうなる可能性は増えるということです。

 アメリカがイラクに侵攻した直後、イラク軍を再建しようとする米軍の試みは何度も失敗しました。

 過激派がイラク軍に入り込もうとしたり、貸与した武器が横流しされたり、兵士がいなくなったりと、イラク軍を近代化するのは不可能だと、私は何度も思いました。実戦では、対立部族の民間人を虐待する事件も繰り返されました。これは米軍が相当に指導したらしく、その後は部族で差別せずに対処するようになりました。イラク軍は優等生になり、評価できるようになったのです。

 しかし、米軍が減ることで、イラク軍がまたもとに戻らないか。それが心配です。イラクに残ったイスラム国の細胞が活動することも心配ですが、それ以上にイラク軍が心配です。

 

 

 

 


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