駆逐艦衝突で軍事裁判が開廷へ

2018.2.3
追加 2018.2.5 6:00


 military.comによれば、USSフィッツジェラルドの元副艦長と上等兵曹が司法外の処罰で、昨年夏の2隻の死者を出した艦の衝突に関して職務怠慢により有罪となり、海軍はより深刻な起訴について予審の日程を設定したと、海軍は木曜日夜に発表しました。

 7月の東京沖でのフィッツジェラルドと商用コンテナ船との衝突の後、8月に解任されていたショーン・バビット中佐(Cmdr. Sean Babbitt)とブライス・ボールドウィン一等兵曹(Chief Petty Officer Brice Baldwin)は1月25日に懲戒の文書による処罰を受け取ったと、当局は声明で言いました。

 さらにフィッツジェラルドの将校1人も職務怠慢で懲戒となり、もうひとりの将校は評価に基づいて無視で有罪となりました。

 発表によると、8月にマラッカ海峡の外でタンカーと衝突した駆逐艦ジョン・S・マケイン(John S. McCain)では、一人の下士卒が司法外の処罰で職務怠慢となり、懲戒の文書による処罰を受け、2ヶ月間給与半減、給与等級1段階引き下げとなりましたが、給与喪失と引き下げは半年間中止されました。

 もう一人のマケインの将校と下士卒に対する司法外の処罰は却下されました。

 両方の艦の元指揮官とフィッツジェラルドのさらに将校3人第32条の予審が3月上旬に設定されたと声明は言いました。

 マケインの元指揮官、アルフレッド・サンチェス中佐(Cmdr. Alfredo Sanchez)は職務怠慢、艦を危険に晒した、過失致死で起訴されます。サンチェスとマケインの副艦長、ジェシー・サンチェス中佐(Cmdr. Jessie Sanchez)は、海軍が隊員10人を死なせたマケインの衝突が防止できたと判断した後、10月に解任されました。

 命令による調査は艦橋で誰が舵と推力機能を制御したかで混乱があり、一部の隊員が駆逐艦の操作方法の知識を欠いていたことが衝突に関与したと判断します。

 元マケインの艦長のサンチェスはワシントン特別区の海軍工廠で3月6日に第32条の審理を待っていると当局は言いました。

 フィッツジェラルドの元艦長のブライス・ベンソン中佐(Cmdr. Bryce Benson)も職務怠慢、艦を危険に晒した、過失致死で起訴されます。

 調査は隊員7人を殺したフィッツジェラルドの衝突は、一部では意味のない見張りによる結果であり、艦橋が別の船との衝突コース上にあることを発見した後、タイムリーな方法で反応できなかったことの結果だったことを示しました。

 ベンソン中佐の審理は3月7日に海軍工廠で設定され、大尉と中尉を含む追加のフィッツジェラルドの将校3人との合同審理が引き続く日々に設定されます。

 海軍当局は衝突事件における処分権限があるフランク・コールドウェル提督(Adm. Frank Caldwell)の懲戒処分がまだ未決だと言いました。

 「適切なように、情報は行動が完了した時に入手可能になります」と当局者は声明で言いました。

 「これは公正で、徹底した、公平な手続きを確保するために必要で、メンバーは彼らの権利を与えられます」。

 致死性の事故のあとで隊員に刑事告発を向けることは非常に稀です。

 海軍が艦長を軍事裁判に送った最後のときは1989年に、ジョン・コクラン中佐(Cmdr. John Cochrane)が駆逐艦キンケード(Kinkaid)がマラッカ海峡の中で駆逐艦と衝突し、隊員1人が死に、さらに17人が負傷したときでした。コクラン中佐は最終的に無罪になりました。


 やはりイージス艦衝突事件で軍事裁判が開かれることになりました。

 このようにミスに関しては、厳しい態度で臨むのが米軍です。

 日本では海難審判と一般の刑事裁判で裁かれますが、米軍はより厳しい軍事裁判を用います。

 現行憲法のお陰で、自衛官は楽ができているわけです。

 ところが、最近は現行憲法の欠点を指摘して、憲法改正につなげるために、軍事裁判の欠如を持ち出す人が出てきました。

 一般の裁判では軍事に疎い法律家が判断を下すから、自衛官に不利になるというのが、その根拠です。

 当サイトが何度も指摘しているように、米軍並みの軍法を自衛隊に適用したら、自衛官は音を上げるでしょう。その点を自衛官たちはどう考えるのでしょうか。

 日本に軍事裁判を設置することは、ミスをした場合に自衛官に厳しい判断が出るということです。これは何度も指摘する必要があります。

 

 

 


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