国境の米軍兵士は非武装のまま

2018.11.23


 military.comによれば、ジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)は水曜日、国境に派遣された現役兵は現在、攻撃を受けた税関・国境警備隊を守るのを助けられるが、彼がホワイトハウスから承認された新しい権限の下で非武装のままだと言いました。

 「私は(先月、5,800人の現役兵をテキサス州、アリゾナ州、ニューメキシコ州に送るのを含めて)「さらなる行動する権限をもっています」と彼は言いましたが、この権限がどう使われるかを決めるだろうと強調しました。

 兵士たちは「法執行を行わされることはない」また「我々は逮捕権を持っていない」とマティス長官は国防総省での非公式会議で記者に言いました。

 新しい権限は移民に税関・国境警備隊職員が攻撃を受けた状況に適用されるとマティス長官は言いました。非武装の米兵は職員の支援をするために行き、逮捕するために次に動ける職員へ連れて行くことができます。

 「我々は(職員が)彼らに殴られるのを止めることができます」と彼は言いました。

 火曜日夜にジョン・ケリー大統領主席補佐官(White House Chief of Staff John Kelly)からの覚え書きでは承認された新しい権限は、致命的な力の使用にはまったく言及せず、(国土安全保障省からの)致命的な力の要請はないとマティス長官は言いました。

 彼は国境にいる現役兵の憲兵隊も群衆管理のために用いられると言いました。彼らは非武装ですが、税関・国境警備隊を支援するために楯と警棒を携帯します。「我々が彼らを支援しなければならないときのため」と彼は言いました。

 ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は繰り返し、国境に押し寄せる移民保護を求める人たちは侵略に値し、潜在的なテロリストとMS-13のギャングのメンバー(米国や中米のギャング、マラ・サルバトルチャのこと)が潜入すると警告してきました。

 しかし、マティス長官は脅威は派遣を終える12月15日の暫定的期限を廃止しなければならないレベルまで高まっていないと言いました。

 彼は兵士の多くはクリスマスのために帰還するが、国土安全保障省と税関・国境警備隊の求めによっては一部は残るかもしれないと言います。


 たかが移民問題で「侵略だ」と大騒ぎをするトランプ大統領と違い、現場は冷静なようなので安心しました。

 しかし、憲兵隊が楯と警棒を持っていて、群衆管理の訓練を受けていることは、他の部隊も同じはずです。非致死性の武器ではないとはいえ、場合によっては相手が死ぬこともある装備です。

 米軍は横隊を作ってデモ隊に対峙し、楯で身を守りながら接近して戦う戦術を訓練しています。移民たちが国境のフェンスを破って入ろうとすると、そういう戦いになる可能性はあります。その前に催涙弾などで追い払う努力がなされるはずですので、致命的な戦いになる可能性はかなり低いといえます。

 メキシコ当局の努力があまり報じられませんが、現場では移民を現地に定着させる活動も行われているはずです。

 トランプ大統領が手を叩いて喜ぶような事態だけは避けてほしい。移民も、米軍も。

 

 

 


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