米陸軍は同軸ローター機の開発遅延を問題視せず

2018.10.16


 military.comによれば、米陸軍の将来型垂直離着陸機計画の責任者は最近、軍はシコルスキー・ボーイング社のSB>1「ディファント(Defiant)」が、昨年達成したその競争相手、ベル社のV-280 「ヴェイラー(Valor)」の業績である最初の試験飛行を行っていないことを懸念していないと言いました。

 陸軍は将来型垂直離着陸機(the Future Vertical Lift: FVL)は次の十年間の進んだ航空機の新ファミリーを生むだろうといいます。計画の最優先事項の一つは未来型長距離強襲航空機(the Future Long Range Assault Aircraft: FLRAA)を生産することだと、将来型垂直離着陸機部門間協力チームの責任者、ウォーリー・ルゲン准将(Brig. Gen. Wally Rugen)は、2018年合衆国陸軍協会年次会合とエキシビジョンで聴衆に言いました。

 FVL活動は、重要な地形への進入を拒否するように設計された敵防空システムを突き破るためにチームとして活動することになっている先進型無人航空機システム(Advanced Unmanned Aerial System: AUAS)と未来型攻撃偵察航空機(Future Attack Reconnaissance Aircraft: FARA)を生産することにもなっていると、ルゲン准将は言いました。

 それは兵士を運搬するFLRAAが重要であろうときだと、彼は付け加えました。

 「一旦窓を開いたら、それを活用し、それを通じて戦闘力を投射できることを望みますから、それは最重要優先事項です」とルゲン准将は言いました。「一度、競合する空域をFARAとAUASで突き破れば、我々はその貫通はあっという間だと考えます。FLRAAの特質で、戦闘力を我々を阻止していたために敵が望まない場所へ投射することで、我々は格好の機会をとおって素早く飛ぶことになります」。

 陸軍は未来型長距離強襲航空機のようなFVLヘリコプターに必要な技術を生むために、統合マルチローター技術デモンストレーター計画を当てにしています。

 2014年、陸軍はこの計画の技術デモンストレーターを構築するために企業に契約を与えました。テクストロン社とベル社のチームは、12月に初試験飛行を完了したV-280「ヴェイラー」を造りました。

 ロッキード・マーチン社の「シコルスキー」とボーイング社は、シコルスキーのX2同軸設計に基づいたSB>1「ディファント」を造りました。ディファントは2017年に初試験飛行を行う予定ですが、現在、シコルスキー・ボーイング当局は2018年後期にウェスト・パーム・ビーチ(West Palm Beach)のシコルスキー開発飛行試験センターで初飛行を行うだろうと予測すると、FVLのシコルスキー・ビジネス開発ディレクターのリッチ・コチャラビー(Rich Koucheravy)は電子メールでMilitary.comに言いました。

 「シコルスキー・ボーイング社のディファントはほとんど完成していて、我々は油圧、エンジン、燃料システム、電気システム、アビオニクスといくつかの電気的に作動する操縦翼面を含めて、取り付けられたシステムのほとんどすべてを試験しました」とコチャラビーは言いました。「我々は今年、大きな進展を見て、年末の前に飛べると予測します」。

 遅れにもかかわらず、陸軍当局は未だにディファントの進展に満足していると、ルゲン准将は言いました。

 「我々はそれらを飛ばす必要があります。我々はそれらがより完全に離陸する技術といくつかの製造技術を証明する必要があります」と彼は言いましたが、しかしと彼は付け加えました。「我々はディファントのチームと密接に連絡していて、彼らがいる場所と彼らがしていることを理解しています」。

 ルゲン准将は「私は陸軍は彼らにいくらかのことをするよう求め、彼らは技術的にかなり困難なことを行い、彼らの飛行のプロファイルから我々が必要な知識のすべてを得られると思うとといいます」と続けました。

 陸軍は現在、未来型長距離強襲航空機の代替書類の分析が終わると予定される次の春に注目しています。

 ルゲン准将はいまでも軍がヴェイラーのティルトローターやディファントの同軸ローター設計に傾いているかどうかをいうのは時期尚早だと言いました。

 「我々は最も効率がよく、最も能力があるプラットフォームを望みます」と彼は言いました。


 日本はV-22「オスプレイ」を買うことを決めているので、さらに新型のローター機の話は関係ないと思うかもしれませんが、欠陥が多いオスプレイを買った後で、より性能がよいローター機が飛ぶのを指を加えてみることになると思えば、無関心ではいられません。

 前にも描きましたが、ヴェイラーやディファントの方がオスプレイよりも性能がよさそうなのです。もちろん、まだ飛行データはほとんど公開されていないので、本当に性能がよいかは分かりませんが、設計コンセプトからはオスプレイが持つ様々な問題は解決されているように見えます。

 米陸軍は両方の試作機で存分な試験飛行を行って、問題を洗い出し、それからどちらを使うかを決定します。日本みたいに、政治レベルで導入を決めてしまうような間違いはしません。

 この一点を見ても、日本の防衛コミュニティの問題は明らかです。

 


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